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目的に応じたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトを自由に選べる「オープンBIM」を推進してきた竹中工務店。同社がBIMの先に見据える「D3B(データ駆動型設計施工)」構想に迫る。

 2015年からBIMを本格的に推進してきた竹中工務店。設計者や協力会社といったプロジェクト関係者が、それぞれの専門性を生かしやすいソフトで自由にBIMモデルを作成し、IFC(BIMの標準データフォーマット)で重ね合わせて整合性を高めていく「オープンBIM」の考え方がすっかり定着し、BIMを中心とした業務プロセスが板についてきた。

 一方、BIMの活用が進むにつれて、その限界も見えてきた。同社設計本部の池田英美シニアチーフコンサルタントDX推進総括は、「BIMモデルの中に情報が書き込まれている状態では、顧客が情報を欲していても、ソフトがなければ見ることすらできないという課題があった」と語る。

 一段上のデータ活用を目指して導き出した答えが「形状」と「情報」の分離だ〔図1〕。BIMモデルに属性データを直接書き込むのではなく、仕上げなどのデータは情報管理ソフトに別途入力し、それを形状とひもづける方式にすることで、データを柔軟に活用できるようにした。

〔図1〕BIMの形状と情報を分離する
〔図1〕BIMの形状と情報を分離する
従来はBIMモデルに入力していた属性データを、形状から分離して蓄積・活用する(資料:竹中工務店)
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