所有していても資産価値がなく、税負担増や近隣トラブルのリスクともなりかねない“負動産”といわれる空き家が、この約20年間で倍増。社会問題となっている。危機感を抱く国は空き家活用を促すため、空き家法の改正に乗り出した。住宅市場では新築価格が高騰し、空き家を含む中古のニーズが高まりつつある。今、設計者には何ができるか。プロの手でがらりと空き家の価値を変えた再生事例を見ていこう。

京都市左京区静市静原町にある「静原村の家」。設計者自らが複数の空き家を段階的に購入・改修し、住宅兼設計事務所、そして服飾工房としている。写真は古民家2階を改修し、キッチン・リビングとした部屋の内観(写真:車田 保)
京都市左京区静市静原町にある「静原村の家」。設計者自らが複数の空き家を段階的に購入・改修し、住宅兼設計事務所、そして服飾工房としている。写真は古民家2階を改修し、キッチン・リビングとした部屋の内観(写真:車田 保)
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● 放置された空き家は「2030年度に470万件」の予測も
● 放置された空き家は「2030年度に470万件」の予測も
賃貸や売却の予定がなく、管理不全のリスクを抱える空き家数の推移。このまま増えると2030年には470万件に至ると予測される。国は、活用や除却により、400万件程度に抑える目標を掲げている(資料:国土交通省)
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