改修で空き家の不動産価値を高め、設計者自身が居住してから次の住み手に受け渡す。そんなスキームの「ヤドカリプロジェクト」が、収益を得て1つのサイクルを終えた。試行を重ね、現在は第3弾まで進行中だ。
浜松市にある「竪穴の家」で2023年3月、改修工事が大詰めを迎えていた〔写真1〕。設計事務所リージョン・スタディーズの白坂隆之介代表の自宅兼オフィスだ。同氏が16年から取り組む空き家再生企画「ヤドカリプロジェクト」の第2弾に当たる。
目指すのは、不動産価格に転嫁できる改修だ。「耐震化や断熱化で性能を高め、古い空き家の不動産価値を取り戻す。過大なコストをかけず、がけ条例などにも対処しながら、住宅としての魅力をいかに付加していくかが設計者の腕の見せどころになる」と白坂氏は話す。