日本中を熱狂の渦に巻き込んだワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝からわずか1週間ほど。北の大地で、総工費約600億円の巨大プロジェクト「北海道ボールパークFビレッジ」が開業を迎えた。国内初となる開閉式屋根付きの天然芝球場「エスコンフィールド北海道」では、温泉やホテルから観戦が可能。球場の周りには小さな街を形成するように、分譲マンションや宿泊施設などが立ち並ぶ。驚きの仕掛けに富む「世界がまだ見ぬボールパーク」を、多角的な視点で徹底解剖する。

「世界がまだ見ぬボールパーク」を徹底解剖
日本中を熱狂の渦に巻き込んだワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝からわずか1週間ほど。北の大地で、総工費約600億円の巨大プロジェクト「北海道ボールパークFビレッジ」が開業を迎えた。国内初となる開閉式屋根付きの天然芝球場「エスコンフィールド北海道」では、温泉やホテルから観戦が可能。球場の周りには小さな街を形成するように、分譲マンションや宿泊施設などが立ち並ぶ。驚きの仕掛けに富む「世界がまだ見ぬボールパーク」を、多角的な視点で徹底解剖する。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝の興奮が冷めやらぬ中、2023年のプロ野球が開幕した。新球場「エスコンフィールド北海道」には、観客が思い思いに“ながら観戦”できる仕掛けが盛りだくさんだ。
「エスコンフィールド北海道」最大の特徴と言えるのが、切妻の可動屋根だ。その面積は世界最大。140cmの積雪にも耐えられる。1枚の大屋根を横移動するというシンプルな機構で、確実に開閉できるようにした。
野球ファンの心をつかむ青々と広がる天然芝。開閉式屋根を備えた球場では国内初となる光景が実現した。寒冷地での厳しい制約を克服するため、新球場「エスコンフィールド北海道」には様々な工夫がちりばめられている。
32カ月の短工期で、気象条件も厳しかった新球場の建設に、大林組は「4D施工管理支援システム」を投入した。球場のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)に、点群データを重ねて進捗を把握していた。
自然光が入るガラスカーテンウオールがセンター後方にそびえ立ち、屋根も開閉する新球場は、光の管理が非常に難しい。競技照明の種類や配置は、他のスタジアムと大きく異なる。まぶしさの調整が開幕まで続いた。
新球場「エスコンフィールド北海道」の実力は球場単体では測れない。「北海道ボールパークFビレッジ」には新球場の周りに、宿泊施設や分譲マンション、認定こども園などがそろい、小さな街を形成している。
ファイターズスポーツ&エンターテイメントは「北海道ボールパークFビレッジ」で年間300万人以上の来場を目標に掲げる。2022年のファイターズの観客動員数は約129万人。同社が描く青写真を三谷仁志取締役に聞いた。