「ルフィ」などと名乗る犯行グループが引き起こしたとされる広域強盗事件が、社会を騒然とさせている。刑法犯の認知件数が20年ぶりに増加に転じ、「体感治安」も悪化。日本の安全・安心が、根底から揺らぎ始めた。「アポ電強盗」や「宅配強盗」などの新たな犯罪に対応し、生命や財産を守るために、住宅・建築の防犯対策をアップデートする時が来た。

防犯クライシス
住宅・建築の防犯対策をアップデートせよ
目次
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「ルフィ」広域強盗に社会が震撼、侵入犯罪がこれから増えるワケ
「ルフィ」などと名乗る指示役が闇バイトで実行役を募り、各地で引き起こした広域強盗事件が、社会を震撼(しんかん)させた。犯罪学の専門家は、今後こうした新手の侵入犯罪が増加するリスクを指摘する。対策は待ったなしだ。
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バール片手に押し入る窃盗団、ドア強化とセンサーで迎え撃て
富裕層の住宅に荒っぽい手口で侵入する窃盗事件が、愛知県内で多発している。バールで玄関ドアをこじ開ける犯行に対して、日本防犯住宅協会の柴山明輝会長は、開口部の強化と外周警戒の組み合わせを提案する。
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正面から車で堂々と、泥棒の侵入経路
旭化成ホームズ(東京都千代田区)のくらしノベーション研究所は、顧客の住宅で過去15年間に発生した侵入被害を調査。近年増えている侵入リスクの高い手口や対策の効果などを、独自のデータを基に検証した。
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IoTで進化する防犯対策、最新防犯テックで泥棒を撃退
IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などを活用した、新たな防犯対策が出てきた。宅配強盗のような新手の犯罪に対応したり、手軽に建物のセキュリティーを高めたりできるのが売りだ。
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東京都立大などで切りつけ事件、悩ましき学校の防犯対策
2022年11月29日、東京都立大学のキャンパス内で同大学の教員が不審者に切りつけられた。23年3月1日には埼玉県戸田市の中学校で、教員が襲われる事件が発生。学校の防犯対策は再点検を迫られている。
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見守り活動の継続に黄信号、岐路に立つ防犯街づくり
「治安が悪い」というイメージと闘い続けてきた東京都足立区。区の防犯政策は、犯罪認知件数の減少や、区民の体感治安の好転といった成果を上げてきた。一方、活動の継続性が新たな課題となっている。
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あの手この手で防犯カメラを設置
少子高齢化などを背景に、住民によるパトロールや見守り活動を維持するのが難しくなってきた。防犯カメラや防犯灯などの設備を活用しながら、効率的に街の安全を確保する方法が求められている。
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その基準は時代遅れ? 防犯対策の歩みを進めよ
侵入犯罪に対する取り締まりが厳しくなり、犯罪の認知件数が減少してきたことなどを背景に、防犯対策の進化は停滞。新たな手口の犯罪に対応できないという弊害が出てきた。今こそ対策のアップデートが必要だ。