キャリアを切り開け！建築士のためのリスキリング入門

リスキリングは企業の重要戦略、個人の学びに任せてはいけない

後藤宗明氏 ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事

　今、あらゆる業界でデジタルの知識やスキルなどを持つ人材の育成が急務となっている。日本で「リスキリング」普及の第一人者といわれる後藤宗明氏にリスキリングのポイントを聞いた。

DX・SXに必須のリスキリング、変革迫られる建築実務の現場

　世界的に注目されてきた「リスキリング」が、数年遅れで日本に上陸した。組織設計事務所や大手建設会社の動向を日経アーキテクチュアが調べたところ、既に支援制度を導入した企業では、デジタルや脱炭素に関する学びを推奨していた。

全社員をデジタル人材に、大林組が取り組むリスキリング

　大林組がデジタル教育に力を入れ始めている。2022年2月には、社内に「デジタル教育課」を新設。企業変革に向けて、ITパスポートを推奨資格に設定するなどして、デジタル人材の育成・確保に取り組んでいる。

BIM確認申請の試行が目前、“BIMマネージャー”の需要高まる

　BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）が“当たり前”になる時代が刻々と近づいている。国土交通省は2027年度にBIM確認申請の開始を目指しており、「BIMマネージャー」の需要が高まりそうだ。

ドローン免許が国家資格に、別資格と併せて業務効率化へ

　測量や点検などでドローン活用の幅が広がっている。2022年12月には国家資格の「無人航空機操縦士」が創設された。建設分野では、国家資格単体ではなく、他の資格と併せて取得することで業務効率の向上につながる。

3D印刷やデータの知識が「DX時代」の心強い“武器”に

　BIMモデル作成時の属性情報や、ドローン測量で得た3次元点群データなど、様々なデータを取り扱う建設業界。データ管理の重要性が高まり、データ解析やセキュリティー管理などIT関連の知識も欠かせなくなってきた。

「断熱・省エネ」「木造」に加え、「SDGs」の資格も登場

脱炭素分野

　新たなビジネスを考えるうえで脱炭素分野の知識は欠かせない。最近では建物の環境性能や木材活用に関する専門資格が多数そろい、より広い視点を含めたSDGsをテーマとする資格も登場している。注目資格を紹介する。

国の空き家対策が後押し、建物やまちの既存活用が活発

ストック分野

　国内の空き家が800万戸を突破し、国も建築分野のストック活用に本腰を入れ始めた。併せて、各地で空き家の管理や活用を担う人材の育成が急務となっている。既存資産を生かす専門家の資格も注目だ。

おなじみの国家資格をおさらい

　●技術系　建築施工管理技士　技術士　建築設備士　既存住宅状況調査技術者　●不動産系　宅地建物取引士　マンション管理士　賃貸不動産経営管理士　土地家屋調査士　土地区画整理士