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米IDEOはデジタル変革の中核を成す「価値創発」を日々実践している。強さの秘訣はブレストとプロトタイピングにある。アイデアを数日で形にして試行を繰り返し、革新的な製品につなげている。

 この連載は企業に価値をもたらすデジタル変革(DX:デジタルトランスフォーメーション)を組織としてどのように実践すべきかを、事例を交えつつ説明している。デジタル変革はAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)をはじめとするデジタル技術を活用して、新たな事業やサービスの創出、顧客満足度の向上などを狙う取り組みを指す。

 前回(2019年3月21日号)は製品やサービスを開発する「価値創発」サイクルの進め方や勘所を説明した。価値創発サイクルの例として、デザイン思考(デザインシンキング)を提唱したことで知られるデザインコンサルティング会社の米IDEOを取り上げた。

 今回は前回に続き、IDEOにおけるプロジェクトの進め方を紹介する。価値創発サイクルで重要なデータ分析プロセスの「CRISP-DM」も説明したい。

ブレストとプロトタイピングを活用

 IDEOはプロジェクトごとに編成したチーム単位で全ての仕事を進め、プロジェクトが終わるとチームを解散させる。社員はリーダーとして1つの大規模プロジェクトに取り組むか、協力者として最大3~4件のプロジェクトに携わる。プロジェクトリーダーには、参加するプロジェクトに対して熱意を抱いている人を選ぶ。

 同社はプロジェクトを開始する前に、期間や費用の見積もりを顧客に提示する。ただし、期間や費用を事前に正しく予測するのは不可能だ。プロジェクトを続けていくうちに、より大きな変革の機会に発展する可能性もある。その際は顧客の理解を得たうえで計画を拡張する。

 価値創発を担うIDEOのプロジェクトにおいて、活動の中核を成すのはブレインストーミング(ブレスト)とプロトタイピングである。ブレストは複数人でアイデアを出し合い、新たな発想につなげていく手法を指す。プロトタイピングは実際に動くモデル(プロトタイプ)を早い段階で作り、モデルに対するフィードバックや検証を通じて実際の製品やサービスへと発展させていく手法をいう。

 IDEOはプロジェクトにおいて、ブレストとプロトタイピングを組み合わせて新たな行動やアイデアの風を巻き起こし、優れたアイデアを数日でプロトタイプへと発展させている。

図 米IDEOのWebサイト
図 米IDEOのWebサイト
「デザイン思考」を提唱した(出所:米IDEO)
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