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カブドットコム証券で、新サービスの開発が始まった。「VeriSM(ベリズム)」を適用し、アジャイル開発で進めるプロジェクトだ。外部からアジャイル人材を確保し、1泊2日の要求定義セッションに挑んだ。

 カブドットコム証券(以下カブコム)で、サービスマネジメント手法の「VeriSM(ベリズム)」を適用したアジャイル開発を始めることになりました。開発するサービスの名称は具体的に書けませんので「サービスA」とします。

 サービスAは複数の外部サービスと連携して動作する、個人向けサービスでした。筆者がサービスAの開発について相談を受けた時、既にカブコムはウオーターフォール型で構築するための資料を一通り準備していました。

 筆者は「従来のやり方に沿った資料を用意しても、アジャイル開発ではそれらの一部しか実装されないかもしれません。そうなってもよいですか」と念を押しました。カブコム側のサービス責任者は「この資料には固執しません」と答えました。

 アジャイル開発を進めるには、カブコムの社員では経験が不足していたので、筆者が十年来信頼している外部のアジャイル開発チームに声を掛けました。電算システムの北川和男氏と棚橋啓介氏です。

 筆者は棚橋氏と会って「カブコムの現場に、本格的なアジャイル開発を体験してもらいたい。そのために協力していただきたい」と伝えました。カブコムが作っていた資料も持参しましたが、「この通りにプロジェクトを進める必要はありません」と付け加えました。

 しかし、資料を見た棚橋氏には断られてしまいました。「資料を尊重して開発すべきではないでしょうか。この内容をゼロリセットするアプローチが受け入れられると思えません」と棚橋氏は言いました。それほどまで、資料が作り込まれていたからです。

 何とか電算システムのアジャイル開発チームを引き入れたかった筆者はカブコムの担当者と棚橋氏とを引き合わせることにしました。面談の日は2018年4月11日でした。

 棚橋氏はカブコムに確認したい質問事項をまとめてから面談に臨みました。単に質問事項を列挙するだけではなく、質問の意図まで含めて記すことで、万一棚橋氏が面談の場に来れなくても、質問の真意を理解できるよう工夫してありました。

 面談を通して自分が抱いていた疑問を全て解消できた棚橋氏はプロジェクトへの参加を決めました。その後、棚橋氏には、自社に戻って社内の協力体制を取り付けることに奔走していただきました。

表 電算システムの棚橋啓介氏のメモ
ヒアリング内容を事前にまとめる
表 電算システムの棚橋啓介氏のメモ
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 この日の面談では、棚橋氏の質問の他に2つの事項をカブコムの担当者に伝えました。1つは、今回の案件では開発チームを電算システムに担当してほしいと筆者が考えていること。もう1つは、筆者の上司である戸田孝一郎(本誌注:戦略スタッフ・サービス社長)がカブコムのユーザー部門と要求定義の準備をしていることでした。

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