カインズは外部から招かれたプロCDOの池照直樹執行役員がDXをけん引する。システムの内製化を進め、店舗などの要望をすぐ実装する体制を整えた。インドのIT最大手と提携し、DX部隊の拡充も進めている。
ベイシアグループにおいて最大の売り上げを誇り、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の筆頭格でもあるカインズ。ホームセンター事業を手掛ける同社は、SPA(製造小売り)化やIT小売業への変貌など、時代の流れに合わせてグループの先陣を切って変革を続けてきた。同社の会長であり、ベイシアグループ全体の舵(かじ)取りを担う土屋裕雅氏は「グループで新しいことにチャレンジする際、真っ先に取り組むのがカインズだ」と話す。
カインズの土屋会長と高家正行社長のもと、同社のDX戦略をリードするのは池照直樹執行役員CDO(最高デジタル責任者)兼CMO(最高マーケティング責任者)兼デジタル戦略本部長だ。日本オラクルや米マイクロソフトのグローバル開発チーム、ベンチャー企業の社長などを経て2019年にカインズに入社した。「経営陣がデジタルの重要性を理解し、本気で競争優位の武器にしようとしている。こんなに面白い環境はない」と池照氏は話す。