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デジタル庁は自治体や政府が共同利用する基盤「ガバメントクラウド」を整備中だ。ただ政府は過去も中央官庁のシステムを集約する独自クラウドを構築運用してきた。過去の政府クラウドとの違いから、デジタル調達改革の考え方と課題が見えてきた。

 ガバメントクラウドの整備に伴い、政府は中央官庁のシステムをクラウドに集約する「第2期政府共通プラットフォーム(以下第2期PF)」を早期に廃止する。2022年度からは原則として第2期PFに移行する新たなシステムを募らず、ガバメントクラウドへの移行を促していく。

 第2期PFを温存せず、ガバメントクラウドを唯一の共通クラウドとする政府方針は2021年6月に決まった。政府は閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」で、「各府省庁は、2022年度以降の新たなクラウドサービスの利用の検討に当たっては、原則としてガバメントクラウドの活用を検討する」と明記した。

 第2期PFを想定した終了の計画も示した。「2021年度以前のクラウドを利用した政府情報システム」は、更改時期などを踏まえ、段階的にガバメントクラウドに移行するとした。

 第2期PFには2021年度中の予定も含めて主に中小規模の約40システムが稼働している。デジタル庁は「2022年度以降の具体的な計画はこれから決める」とするが、一定の移行期間を経て早期に廃止する方向は固まった。

 政府の共通ITインフラには、政府がサーバー資産を持つ形で2013年度から運用する「政府共通プラットフォーム(以下第1期PF)」もあり、2023年度末で運用終了が決まっている。2018年度時点で約90システムが稼働しており、2021年度分までは第2期PFへの移行を図っていた。しかし2022年度からは第1期PFと第2期PFともにガバメントクラウドが原則として移行先となる。

図 3つの政府共通インフラの運用状況
図 3つの政府共通インフラの運用状況
仮想システムをガバメントクラウドに原則移行させる
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 さらにガバメントクラウドには全国1700超の自治体が少なくとも17業務の基幹業務システムを2025年度までに移行する計画だ。加えて政府は、中央官庁がオンプレミスで運用する約700のシステムや独立行政法人などのシステムもガバメントクラウドに大統合する中期計画を描く。

 第2期PFは総務省が2020年10月に稼働させた。ITインフラのコスト半減を目指し、クラウドの調達先には米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を選定。設計・開発や工程支援に限っても12億円以上を投じ、2年近く準備して稼働させたが1年足らずの短命でサービスは終了に向かうわけだ。