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企業がドローンを活用して業務やビジネスの改革に挑み始めた。規制やコスト、安全などの課題も解決の兆しが見えつつある。政府が2022年度に都市部での利用を解禁する動きも、追い風になりそうだ。

 毎年のように日本列島を襲う超大型台風。被害は水害や土砂災害にとどまらず、電柱や送電線などの電力インフラが損壊し大規模停電を起こすこともある。

 そんな緊急事態に電力インフラをいち早く復旧させるために、関西電力はドローンを活用している。倒壊した電柱を立て直したうえで新たな電線を敷設する際、前工程として「道糸(みちいと)」を敷設する。そこにドローンを使う。

図 関西電力によるドローンを使った電柱への道糸敷設の様子
図 関西電力によるドローンを使った電柱への道糸敷設の様子
高所作業車の代わりに道糸をつり上げ(写真提供:関西電力)
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 道糸の敷設には通常、高所作業車を用いる。電柱のそばに停車させ、敷設作業が終わると次の電柱へと移動させていく。ところが土砂崩れや倒木などの際、高所作業車を移動できないことがある。

 空を飛ぶドローンであれば、そんな状況でも道糸を迅速に敷設できる。地上の作業員がドローンに道糸を付けて飛ばし、電柱に上った作業員が受け取るだけだ。地面の状態に関係なく道糸の敷設を進められる。

 実際、2018年9月に台風21号によって関電管内の大阪府や兵庫県、和歌山県などで延べ約220万軒の大規模停電が発生したとき、同社はドローンを活用した。それにより復旧までの時間短縮につながったという。