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カインズやベイシア、ワークマンなどから成るベイシアグループの実質的なトップを務める。カインズのSPA(製造小売業)化を断行するなど、業界きっての改革派としての顔も持つ。2018年に「IT小売業宣言」をぶち上げ、大胆なデジタル組織づくりを推進してきた。

(聞き手=浅川 直輝、鈴木 慶太 2021年11月4日にインタビューを実施)

土屋 裕雅(つちや・ひろまさ)氏
土屋 裕雅(つちや・ひろまさ)氏
1966年、ベイシアグループ創業者である土屋嘉雄氏の長男として群馬県伊勢崎市に生まれる。1990年に早稲田大学商学部を卒業後、野村証券入社。1996年にいせや(現ベイシア)入社、1998年にカインズ入社。2002年の社長就任を経て2019年3月より現職(写真:村田 和聡)
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2021年2月期にグループの売上高が1兆円の大台を超えました。ここまで成長できた理由をどう見ていますか。

 当社グループの強みは「商売人スピリッツ」を持っている従業員が多いことです。来店した目の前の顧客に、懇切丁寧に接しようとする姿勢は何よりも成長の原動力です。そして負けん気の強い社員が多い。

 私は当社グループの経営を「ハリネズミ経営」と呼んでいます。各業界で他社を寄せ付けないほど「とがった」企業の集合体にするという意味です。各社に経営の自由度を持たせ、グループとしてシナジーを出すよりも互いが切磋琢磨(せっさたくま)する関係性を求めています。

 そういった意味で、グループ内競合も辞しません。一見すると非効率ですがそこが1つの成長の原動力になっています。

2007年にはカインズ社長としてプライベートブランド(PB)の開発に舵(かじ)を切る「SPA宣言」を行い、2018年にはITを駆使する小売業に変貌する「IT小売業宣言」をしました。

 宣言シリーズとしてはその2つが有名ですね(笑)。SPA宣言は、メーカーから仕入れるナショナルブランド(NB)を売っているだけでは、いずれ安売り競争に巻き込まれるという危機感があり、そちら(SPA)に向かいました。