2018年に設立した日本ハッカー協会で、すご腕の技術者と企業とのマッチングなどの活動に従事。自らも日本のホワイトハッカーの第一人者として、数多くの企業でインシデント対応を支援している。国全体のセキュリティー水準を高めるデジタル庁のセキュリティ戦略官としての顔も併せ持つ。
(聞き手=浅川 直輝、島津 忠承)
日本企業のセキュリティー対策の課題をどうみていますか。
日本企業を大きく3つに分けると考えやすいでしょう。1つは先端ITを活用してサービスを展開する企業やIT関連技術を販売する企業。2つめは、自社ではIT関連の事業をやっておらず、専ら活用する側のユーザー企業。そしてITを使っていることすら意識していない企業が3つめです。
1つめのITで事業を展開する企業のほとんどは、しっかりセキュリティーに取り組んでいます。2021年末に判明したApache Log4jの脆弱性のような深刻な課題には手を打っている。
ただし、脆弱性を十分に管理できていないベンダーや、そもそも管理するつもりがないベンダーもあります。このようなベンダーが開発した製品やサービスで発生したセキュリティーの課題に、2つめのユーザー企業がどれだけ対応できるのかがポイントです。