450年の歴史を持つ老舗寝具メーカーがスリープテックに目覚めた。目指すは睡眠データを起点に生活全般を支援するプラットフォーマーだ。伝統を守りつつ、寝具のサブスクリプションなど事業領域の開拓に挑む。
(聞き手=大和田 尚孝、玉置 亮太)
1月に米国ラスベガスで開かれたデジタル技術見本市「CES」に出展しました。寝具メーカーとしての狙いは。
デジタル技術を活用した当社の事業戦略を世界に発信するためです。当社は西川産業と京都西川、西川リビングの3社が2019年2月に統合して発足しました。統合後に私たちが目指す方向を社外に発する場として、CESがふさわしいと考えました。
センサー搭載のベッドを軸にした「スマートマットレス」を展示しました。睡眠中のパーソナルデータを計測し、睡眠の質を解析します。さらに眠りの状態に合わせてエアコンや照明機器を制御して、快適な眠りを支援します。栄養管理や化粧品の提案など、様々な日常生活の支援にも生かします。
将来的には体の異変を検知して医療機関などが駆けつけるといったファーストエイド(応急処置)までカバーできると考えています。米アマゾン・ドット・コムのAI(人工知能)搭載スピーカー「Alexa」と連携するシステムも展示しました。通常はAI搭載スピーカーに話しかける必要がありますが、当社のシステムなら何も言わなくても家電などを制御してくれます。