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プログラムコード管理のクラウドサービス大手、米ギットハブを率いる。開発者が書いたコメントからコードを自動生成する支援ツール「GitHub Copilot」に注力。開発者から仕事を奪うのではなく、むしろ幸せにするためにAI技術を磨くと力説する。

(聞き手=浅川 直輝)

Thomas Dohmke(トーマス・ドムケ)氏
Thomas Dohmke(トーマス・ドムケ)氏
英国グラスゴー大学にて機械工学の博士号を取得。共同設立したスタートアップが2014年に米マイクロソフトに買収され、同社に参画。2021年にマイクロソフト傘下の米ギットハブのCEOに就任。(写真:村田 和聡)
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Copilotを使っている開発者は、新規コードの40%をCopilotで記述していると聞きました。Copilotは開発者にどのような利益をもたらすのでしょうか。

 Copilotは2つの点で開発者の生産性を高め、ひいては開発者をハッピーにするものです。1つは「フロー状態」と呼ばれる超集中状態を維持しやすくなることです。

 開発者はプログラミングの途中で、頻繁に調べ物をします。その際、これまで作業していたコードエディターの画面から、Google検索やGitHub、Stack Overflow(プログラミング技術などの知識共有サイト)などの画面への切り替えを余儀なくされます。

 多くの開発者はコードエディターとしてVisual Studio Codeなどをブラウザー上で使っていますが、そのためWebサイトやソーシャルメディアで起きていることに気を取られがちです。ネットサーフィンして20分後、あなたがエディターに戻ってきたときには、もうプログラミングの流れが分からなくなっているでしょう。