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デジタル活用で知られる小売り大手ベイシアグループの中核企業を、プロ経営者として率いる。出店を抑制し既存店の強化に取り組んだ結果、「足腰は十分鍛えられた」と総括。出店攻勢へ意欲を示すと同時に、デジタルへ継続的に投資すると力を込める。

(聞き手=浅川 直輝、鈴木 慶太)

相木 孝仁(あいき・たかひと)氏
相木 孝仁(あいき・たかひと)氏
1994年に日本電信電話(現NTT)に入社、その後経営コンサルティング会社などを経て、2007年11月楽天(現楽天グループ)に入社。フュージョン・コミュニケーションズ(現楽天コミュニケーションズ)社長などを歴任し、2013年より楽天常務執行役員に就任。2017年に鎌倉新書社長、2019年にパイオニア常務などを経て、2022年1月にベイシア副社長。2022年7月より現職。1972年生まれの51歳、北海道出身。(写真:村田 和聡)
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2022年7月、食品スーパー大手のベイシアで初となる生え抜き以外からの社長就任となりました。

 ベイシアとは2021年からアドバイザーとして関わってきました。パイオニアの役員を卒業するタイミングで、土屋(裕雅ベイシア会長兼カインズ会長。創業家2代目で、実質的なベイシアグループのトップ)に声をかけてもらったのがきっかけです。彼とは4~5年ほど前から面識がありました。

 半年ほどじっくりベイシアという会社を見せてもらい、こんなすごい会社があるんだなと。既に大きな会社ですが、さらに大化けできると思いました。その後ご縁もあって、本格的に経営にかかわることになりました。

どのあたりにすごさを感じましたか。

 今となっては手前味噌ですが、やっていることがとにかく真っすぐ。正しいことをやりたい、正直でいたいという人たちが集まっている会社です。

 外から来た私からすれば、もうちょっと要領よくやってもいいんじゃないかと思う箇所もありますが、このメンバーがいる会社であればまだまだ会社を大きく伸ばせるなと。群馬発の企業で、群馬から全国、アジア、世界に羽ばたく企業にできたらすごく面白いんじゃないですか。