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ファイル共有ソフト「Winny」を題材にした映画が2023年3月に全国公開された。開発者の金子勇氏が著作権違反ほう助の容疑で逮捕、無罪を勝ち取った事件を題材にした。約20年を経た令和のいま、Winny事件をテーマとした映画をつくった思いは何だったのか。

(聞き手=浅川 直輝、長倉 克枝)

(写真:村田 和聡)
(写真:村田 和聡)
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映画「Winny」の製作を古橋さんが企画した経緯は。

古橋氏 2018年2月に東京・六本木で開催された「ホリエモン万博」というイベントの中の「CAMPFIRE 映画祭」に、作品を出してみないかと知り合いに誘われたのがきっかけです。僕は自ら会社を経営していることもあり、事業やサービスをつくる人をフィーチャーした作品をつくりたいと考え、調べていた時に金子さんの名前が出てきました。実は、2013年に亡くなられていたことも、その時に初めて知りました。

 金子さんが逮捕されたことは覚えていましたが、その7年後に(最高裁判所で)無罪が確定したことの報道はそれほど多くなく、当時の文献や映像もあまり残っていませんでした。それならフィクションでもノンフィクションでもいいので「Winny」というタイトルで映画をつくれたらと考え、企画コンペのために90秒くらいの動画を作り、それで優勝して始まったのが映画「Winny」の企画です。