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2020年1月、新型コロナウイルス感染症対策で在宅勤務をいち早く導入した。事業継続に向けた準備と訓練が奏功し、業務生産性はほとんど下がっていないという。世界的な災禍の半面、従来の非効率を見直しITによる変革を促す好機にすべきと訴える。

(聞き手=浅川 直輝、玉置 亮太)

熊谷 正寿(くまがい・まさとし)氏
熊谷 正寿(くまがい・まさとし)氏
1963年、長野県生まれ。1991年ボイスメディア(現・GMOインターネット)設立。現在、グループ傘下の上場企業9社を含むグループ114社を率いる。(写真:村田 和聡)
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2020年1月27日、東京都などで勤務する従業員約4000人を対象に在宅勤務へといち早く切り替えました。

 当社グループ全体では約6000人、うち東京と大阪、福岡に合計で約4000人が働いています。私たちの規模の会社では日本で初めて在宅勤務体制に移行したと聞きました。早期に決断できた理由の1つは、日ごろからの準備と訓練です。パンデミックや自然災害など、事業継続の難しい状況を想定し準備していました。

 もう1つの理由は、組織の習慣とコミュニケーションの貯金です。我々は社是や社訓に当たる「スピリットベンチャー宣言」を1995年に定めました。組織運営に関するノウハウや心構えを詰め込んでおり、全て読むと20分ぐらいかかります。これを25年近く、全ての社員が毎週少なくとも1回は定例の会議などで声に出して読んでいます。