主力のフリマ事業に続き、乱戦が続くスマートフォン決済サービスに参入した。後発ながら国内1200万人超の利用者を誇るフリマ事業との連携に自信を見せる。AI(人工知能)をはじめとするテクノロジー活用により、さらなる成長を果たせるか。
(聞き手=大和田 尚孝、玉置 亮太)
2019年2月にスマートフォン決済サービス「メルペイ」を始めました。同分野では後発ですが、メルカリならではの強みは何でしょうか。
ユーザーフレンドリーとユーザーファーストを徹底しているところです。フリマアプリ「メルカリ」もそうですが、お客様に使ってもらえるサービスにすることを大事にしています。
メルカリを使って売上金がアカウントにたまったら、今までは銀行口座に移してから現金を引き出すケースがほとんどでした。スマホ決済サービスを提供することで、メルカリの売上金を決済に直接使えるようになります。決済の履歴データも様々なサービスに生かせるでしょう。
メルカリの主要な利用者である主婦層や地方の利用者とスマホ決済の親和性をどう見ていますか。
メルカリは日本全国の主婦の方々に支えていただいているサービスです。実は都市部よりも地方のユーザーさんの方が、メルペイには相性が良いと思っています。
今までのスマホ決済の潜在的な利用者層はクレジットカード利用者でした。東京23区に勤めるビジネスパーソンが典型例です。クレジットカードを頻繁に使ってマイルやポイントをためるユーザーに、既存のスマホ決済サービスは向いています。
一方、地方在住の主婦層はまだまだ現金決済の需要が根強い。クレジットカードやスマホ決済といった選択肢があるなかで、何ら不都合がないから何の気なしに現金を選んでいらっしゃる人が大多数ではないでしょうか。言い換えると(キャッシュレス決済に対して)まっさらな状態なので、提案のしがいがあります。利用開始のハードルを下げて現金に比べた利点が多いとお伝えする。そのうえで3回、5回、10回と使ってもらえれば習慣化するのではなかろうかと。とはいえ、正解は誰にも分かりません。答えが出るのは数年後でしょう。