前社長が商標法違反容疑で書類送検されるという逆境の下、前倒しで社長に就任した。ガバナンスの立て直しと、次の稼ぎ頭の育成が急務だ。SNSのmixi、ゲームのモンスターストライク(モンスト)に次ぐ3発目の本塁打を放てるか。
聞き手=編集長 大和田 尚孝
子会社が運営していたチケット売買サイトで「ジャニーズ」の名称を無断で使用したとして、森田仁基前社長ら3人が商標法違反の疑いで書類送検されました。
このような事態に至ったことについて厳粛に受け止め、引き続き捜査に協力をして参ります。
チケット売買を仲介するサービス「チケットキャンプ」はベンチャー企業のフンザが2013年に始めました。音楽や演劇、スポーツなどのイベントのチケットを消費者同士で売買することに特化した、いわゆるフリーマーケット(フリマ)サービスです。ミクシィが2015年にフンザを買収して完全子会社にした後も、事業は同社が運営してきました。
ジャニーズ事務所の許可なく所属アイドルのコンサート情報をまとめたサイトを運営してチケットキャンプに誘導するような事態をなぜ招いてしまったのですか。
ファンの皆様がライブを楽しむきっかけになればと考え、公開されている情報を分かりやすくまとめ、掲載したつもりでした。捜査については検察庁の判断をお待ちしている状況です。
ただ、当社グループとして商標法違反を侵した認識はありません。詳細は捜査に関わるため申し上げることはできませんが、これもまた検察庁による判断を待ちたいと考えています。
子会社への目配り、不十分だった
チケットキャンプは高額転売業者を不当に優遇したとして5月末に閉鎖に追い込まれました。
子会社にきちんと目を配れていなかったのは事実であり反省しています。コンサート情報の掲載に限らず、チケットキャンプに関する様々なご指摘を踏まえ、レピュテーション(顧客や社会からの評判・認知)に配慮した迅速な経営判断をするため、新たな経営体制のもとで上場企業としての社会的責任を強く認識し、ガバナンス強化を図ることで信頼回復に努めて参ります。