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減収は覚悟、従業員を信じた

付加価値の向上を目指すとはいえ、営業時間の縮小は減収につながる可能性があります。大胆な取り組みを実行できたのはなぜですか。

 先に申し上げたように私は大学時代にアルバイトをしていたことから当社に入社しました。現場経験が長いため、課題とその答えはいつも現場にあると思っています。それを見に行くのが僕の社長業としての仕事だと思っていますし、社長になってからもたくさんのお店を回ってきました。

「AIは結局人間と同じで、よちよち歩きから一人前になる。まずは歩かせてみなければ」と語る黒須社長
「AIは結局人間と同じで、よちよち歩きから一人前になる。まずは歩かせてみなければ」と語る黒須社長
(写真:村田 和聡)

 現場からは「働き手が集まらない」という悲鳴にも似た声を多く聞きました。現場の働き方自体を少し楽にしてあげることで、その分お客様に付加価値を提供できるならば、やってみるべきなのではないかと考えました。すぐにうまくいくことではないと思っています。でも、だからこそ今やらなくてはと。

 ある程度の減収は覚悟しました。それでも最後に信じていたのは従業員です。従業員の満足を上げれば、必ず顧客満足につながると。売り上げや業績を上げる以前に、まず従業員を大事にする。そうすれば従業員は客を大事にするだろうと信じていました。

需要予測にAI、仕入れを効率化

AIはどう活用していきますか。

 すでに取り組み始めているのが、社内の手続き関連を支援するチャットボットです。全国2万3000人のパート・アルバイトの方に関する人事・総務関連の問い合わせをチャットボットが受け付けられるようにしました。

 遅れているのは需要予測です。我々の商売は「予測」が基軸といってもいい。2週間先の「この日」の来店客数や客単価を時間帯別など精緻に予測できれば、食材の仕入れや人材配置の効率が上がります。店舗をより効率的に運営できるのです。現場には発破を掛けているのですが、なるべく早く取り組みたいです。AIは結局人間と同じで、よちよち歩きからある程度時間をかけて一人前になっていく。まずは歩かせてみなければと思っています。