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仲間作りに注力する

 デジタルの力をてこにして、我々自身も変革していく必要があります。テクノロジーカンパニーとして、新しい技術の創出を事業の中心に据えているわけですから。

 テクノロジーによって人々や社会を幸せにする。この企業理念にのっとり、顧客企業と私たち自身のデジタル変革を進めていきます。

歴史が長く巨大な企業だけに、方向転換は難しいのでは。

 おっしゃる通りです。富士通のSEや営業には顧客の要望を聞いてから行動する考えが強く染みついています。今までの成長を支えてきたドライバーであり今後も変えない部分はありますが、これからは顧客の一歩先を行く提案をしなければならない。

 今後は顧客に価値を提供するための技術やインフラを考え出す思考プロセスが必要です。私は富士通そのものをひっくり返してめちゃくちゃにしたいのではなく、従業員の思考プロセスをひっくり返したい。そうでないと、いいハードウエアは作れても顧客に認められるとは思えません。

―新会社は外部との連携にも力を入れると宣言しています。

 新会社は当初500人のコンサルタントで始める予定で、SEや営業などからの転換を考えています。もちろん社外の人材も積極的に採用していきます。新会社を中心に、富士通グループを魅力的な企業群に変えていきたい。

 それでも単独でできることが限られる時代ですから、仲間作りは欠かせません。我々の仲間作りの取り組みは不十分でした。(金融や製造など)業種にフォーカスした事業を長く手掛けてきたので(企業同士の)横のつながりを十分に生み出せていませんでした。

 とはいえ情報システムの開発や販売を主体にする企業と組んでいては今までの富士通と変わらない。「ものすごいイノベーションを起こすんだ」というマインドを持った企業と組みたいと思っています。

(写真提供:富士通(館林データセンター))
(写真提供:富士通(館林データセンター))
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伸びしろは国内と中小市場にも

田中達也前社長の時に海外売上高比率を5割に高める目標を掲げていましたが取り下げました。立て直し策は。

 ハードウエア関連に経営資源を集中していた体制を、より高い価値を生むサービス事業にシフトしています。海外はサーバーやパソコン、ネットワーク機器に代表されるハードウエアの販売や保守・運用などで稼いできた時代がありましたが、必ずしも収益力を維持できていませんでした。

 このほど、欧州を2つの地域に分けました。サービスへの転換が比較的進んでいる英国を中心にした「北欧・西欧」と、サーバーなどのプロダクトが中心のドイツなど「中欧・東欧」です。

 国や地域ごとの立ち位置を明確にして事業強化の方向性を定めるためです。サービスが強い地域はより強くし、ハードへの依存度が高い地域はサービス事業への転換を推し進めます。

 ただし、デジタル化の大きなうねりを受け止めるだけの仕組みはまだ構築できていません。富士通グループのヘッドクオーターは日本ですから、グループの海外企業は日本のヘッドクオーターの意思やサポートを期待している。本社としては彼らの期待に応えていくつもりです。

(写真:村田 和聡)
(写真:村田 和聡)
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