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スタートアップ支援事業や投資ファンドなど、KDDIのオープンイノベーション活動を率いてきた。大企業はスタートアップに目線を合わせ、相手の成長を第一に考えるべきだと力説する。スタートアップにも高い視座を求め、投資とリターンという原則を貫いた協業を加速する考えだ。

(聞き手=浅川 直輝、玉置 亮太、高槻 芳)

高橋 誠(たかはし・まこと)氏
高橋 誠(たかはし・まこと)氏
1984年横浜国立大学工学部卒、同年4月京セラ入社。同年6月第二電電(DDI、現KDDI)へ出向(後に転籍)。2003年執行役員。以後、取締役執行役員常務、執行役員専務、執行役員副社長を経て2018年4月から現職。1961年生まれ、滋賀県出身。(写真:村田 和聡)
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スタートアップと大企業が協業するうえで、双方に高い視座が必要だと常々主張していますね。

 オープンイノベーションを成し遂げるには、それぞれに足りないものがあると思っているからです。スタートアップについて言えば、新規株式公開(IPO)がゴールと考える企業と、その先にこんな大きな事業を自分の力で成し遂げたいんだとしっかり設計できている企業とでは、やっぱり大きな差があります。そうした高い視座を持ったスタートアップでないと、大企業は応援する価値がなくなってしまう。

 大企業側も、これと見込んだスタートアップならば、自然に成長するのを待つのではなく、自分たちの資産をうまく使ってもらい、大きく育てようというベクトルを間違えずに持つべきです。例えば当社は2012年、ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインと共同でCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を立ち上げました。その際には投資判断や協業を考えるうえでのベクトルをしっかりスタートアップに向けて、投資先を大きくすることを第一に考えるよう徹底しました。