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店舗主体の方針を転換、リアルとデジタルチャネルの融合に大きくかじを切った。両者をつなぐ「触媒」の役割を託すのが、スマホアプリ経由で蓄積した顧客データだ。出資ありきではなく、APIでつながる新時代の地銀連合の形成を目指す。

(聞き手=浅川 直輝、山端 宏実)

南 昌宏(みなみ・まさひろ)氏
南 昌宏(みなみ・まさひろ)氏
1989年3月に関西学院大学商学部を卒業し、同年4月に埼玉銀行入行。2017年4月、りそなホールディングス(HD)執行役オムニチャネル戦略部担当兼グループ戦略部長。関西みらいフィナンシャルグループ執行役員グループ戦略部長などを経て、2020年4月りそなHD取締役兼代表執行役社長。事業開発・デジタルトランスフォーメーション担当統括も務める。1965年6月生まれの55歳。(写真:村田 和聡)
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2020年4月に社長に就任し、「脱・銀行」を掲げました。どのような狙いからでしょうか。

 根幹にあるのは、社会構造の変化やテクノロジーの圧倒的な進化で(決済や資産運用といった)顧客の金融行動が大きく変わっているという現実です。顧客の金融行動と我々の収益力を支えてきた仕組みやプロセスとの間にミスマッチが生まれています。このミスマッチを埋めるため、デジタルトランスフォーメーション(DX)で業務プロセスを解体し、再構築しようという考え方がベースにあります。我々は「基盤の再構築」と呼んでいます。

ミスマッチとは具体的に。

 銀行の間接金融の中核収入は国内預貸金利益でしたが、資金循環構造の変化やマイナス金利の深掘りで下がり続けています。にもかかわらず、我々のシステムや店舗、業務プロセスはほとんど変わっていません。

 りそなは今、グループで約830の有人店舗を展開していますが、今後は店舗のあり方が変わっていくだろうとみています。我々は地域とリテール(個人・中小企業向け金融)で生きていく銀行だと思っていますので、今後も地域に店舗がある意義は大きい。損益分岐点を圧倒的に下げて顧客に提供できる価値を再構築する必要があります。

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