個人情報保護をしながら個人データ活用を図る事業を展開するAcompany。個人データ保護技術「プライバシーテック」でサービスを立ち上げた。起業家は秘密計算という技術ありきではなく顧客の声に耳を傾け続ける。
広告、マーケティング、金融などで個人データ活用が進む一方で、個人情報保護に関する法制度は複雑化している。高橋亮祐が率いるAcompanyは、法令を順守しながら個人データの分析や連係を自動で行うソフトウエア「AutoPrivacy」を企業向けに提供する。コンサルティングも合わせて提供し、顧客が組織をまたいで個人データを有効活用できるよう支援している。
開発にあたっては、弁護士らの協力を得て個人情報保護法などの法令やガイドラインの論点を精査した。それを基に、組織間でデータ連係する際の法的アセスメントや匿名加工などを自動化できるようにした。2022年4月のサービス開始後には、博報堂などと業務提携している。大量データを保有する企業や、外部データと連係したい企業のニーズが高いという。
AutoPrivacyは、データを暗号化したまま統計分析する秘密計算技術を活用する。データを復号せずに処理できるため、情報漏洩リスクの抑制などで注目される技術だ。AutoPrivacyの売りとも言えるが、「秘密計算ありきのサービスではない」と高橋は言い切る。