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ワタミは5年かけて基幹系システムを全面刷新する。全事業の基幹系を1つのERP(統合基幹業務システム)に統合する。プロジェクトを率いるのはITベンダーから転じたCIOだ。

若林 繁(わかばやし・しげる)氏
若林 繁(わかばやし・しげる)氏
1989年にメーカー系ITベンダーに入社し業務コンサルティングやERPやDWHの導入、CRMパッケージの開発などを担当。2011年に独立系ITベンダーに転じ、技術・開発担当の執行役員を務める。2018年1月にワタミに入社し現職。(写真:小野 さやか)
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 基幹系システムの全面刷新プロジェクトを進めている。食材工場の生産管理システムや全社の財務会計システムを、ERPを使って再構築する。POS(販売時点情報管理)システムなどを通じて得た店頭からのデータと、ERPに蓄積したデータを統合して管理・分析するシステム基盤も新たに開発中だ。2018年にプロジェクトを開始し、2022年度に完遂する予定だ。

 当社は国内外の外食事業に加え、宅食事業、風力/太陽光発電などの環境事業、さらには農業まで様々な事業を展開する。買収した事業も多く社内の基幹系システムはバラバラだった。これを1つのERPで統一する「One ERP」方式で刷新する。全社的に最適な基幹系システムを構築するにはERPによる統一が欠かせないと考えた。

 基幹系システムの刷新は現在推進中の経営改革の一環だ。世界標準の業務のやり方を取り入れるため、当社独自の業務プロセスを抜本的に見直し、ERPの持つ業務プロセスに合わせる方針を貫いている。