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ヤフーが究極のリモートワークを目指し95%の業務で出社を不要にした。CIO(最高情報責任者)が主導してシステムの見直しを進めた成果だ。老朽化した基幹システムの刷新も急ぐが、「脱・内製」にかじを切る。

服部 典弘(はっとり・のりひろ)氏
服部 典弘(はっとり・のりひろ)氏
地図情報システム専門のIT企業を創業。2008年買収に伴いヤフーに入社。「Yahoo!地図」の技術ディレクター、IT部門責任者、開発基盤部門責任者を経て、2018年テクノロジーグループCTO。2020年からCIO兼務。2021年4月に執行役員に昇任予定。(写真提供:ヤフー)
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 ヤフーは事業全体がITなしでは成り立たないが、私は顧客が直接使うサービスのためのシステムではなく、もっぱら社内向けシステムを担当している。その私が重点的に取り組んできた仕事が2つある。

 1つは、新型コロナウイルス禍でのリモートワーク推進だ。もともとヤフーには2014年から「どこでもオフィス」という制度があり、自宅など好きな場所で働ける。これまでは月5日以内という制限を設けていたが、新型コロナ感染拡大防止のために制限を撤廃し、緊急事態宣言発令地域では原則出社しないこととした。

 リモートワークを徹底する以上、全ての仕事をリモートで完結させなければならない。従来は「外部向けサービスのリリース」「システム障害対応」などセキュリティー上の配慮が必要な仕事をする際は、出社するのがルールだった。これらの仕事もリモートで完結できるよう、セキュリティー監視ツールを強化したり、ネットワークを見直したりした。

 今では約7000人の従業員のうち約95%は出社しなくても業務を回せるようになった。顧客の個人情報を扱う業務などはまだリモートワークを認めていないが、それ以外の業務は全てリモートで処理できる。

 これをもう一段ブラッシュアップしたい。利用する社内コミュニケーションツールは主にZoomとSlackだが、ブレーンストーミングでアイデアを出しながら方針を煮詰めるような会議には向かない。ホワイトボードを共有したり、付箋紙でアイデアを出し合ったりといった、リアルの会議に近い状況を再現できる機能を持つ新たな会議ツールを試験導入しているところだ。