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アスクルはデジタル改革加速に向けビッグデータ基盤を刷新した。目指すはオフィス通販会社から「テクノロジー企業」への脱皮だ。旗を振るCTO(最高技術責任者)は終わりなきシステム内製力強化に挑む。

内山 陽介(うちやま・ようすけ)氏
内山 陽介(うちやま・ようすけ)氏
2008年にヤフー入社、通販サイトの開発を担当。15年よりアスクルへ出向、18年同社に入社。LOHACOやロジスティクス、ビッグデータのシステム責任者などを経て19年にCTO。2022年3月よりテクノロジー本部ICTソリューション統括部長を兼務。(写真:陶山 勉)
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 通販のシステム開発に携わって14年余り過ぎた。初めの7年間はヤフーのエンジニアとしてYahoo!ショッピングなどの開発を担った。2015年からアスクルに籍を置き、個人向けネット通販LOHACOの立ち上げや社内のビジネスチャットの導入などに注力した。2019年からはCTO(最高技術責任者)を務めている。基幹系システムも含めアスクルのIT戦略全体を統括する立場となり、経営に資するITの実現に向け取り組んでいるところだ。

 対処すべき経営課題は多岐にわたる。主力事業のオフィス用品の通販は堅調だが、テレワークの普及などで先行きは不透明だ。ネット通販大手が法人向け事業に参入するなどライバルも増え、物流業界では人手不足が深刻化している。こうした中で成長し続けるためには、デジタル技術を活用し、サービス改善や業務効率化のスピードを大幅に速めていく必要がある。