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三井住友銀行(SMBC)をはじめとするSMBCグループのDXを率いる。FinTechをはじめ金融業界の急速な環境変化が危機感となって背中を押す。巨大な船の針路をデジタルの力で導くべく、データ活用や外部連携を急ぐ。

谷崎 勝教(たにざき・かつのり)氏
谷崎 勝教(たにざき・かつのり)氏
1982年住友銀行(現三井住友銀行)入行。市場営業推進部長、市場営業部長、執行役員市場運用部長などを経て2011年4月執行役員情報システム企画部長。2019年6月より現職。三井住友銀行専務執行役員を兼任。(写真:陶山 勉)
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 「CDIO(最高デジタルイノベーション責任者)」である私のミッションは、SMBCグループ全体のDX(デジタル変革)の推進だ。攻めと守り、2つに分けてDXを推進しているが、私が主に担うのは攻めのほうだ。つまりITの力で新しいビジネスを生み出す取り組みと既存のサービスの変革。既存サービスの変革では、UX(ユーザー体験)を改良し顧客価値を高めるのが役割だ。

 一方、守りのDXの対象は事務作業やシステムインフラだ。手作業をシステム上のワークフローに変えるといった取り組みを担う。こちらはCIO(最高情報責任者)が担当する。

 太田純社長はSMBCグループを「大きなタンカー」に例える。方向を変えるには、ものすごく大きな力が必要だからだ。私はタンカーの周りにいろいろな小さい舟をどんどんつくり、一つ一つの小舟を大きくして、タンカーの事業変革をけん引したい。