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転職早々、動画共有サイト「ドワンゴ」のインフラ改革を1年でなし遂げた。その実績を買われて、KADOKAWAグループ全体のDXを推進する。エンジニア部隊を子会社として独立させ、DXサービスの外販にも乗り出す。

各務 茂雄(かがみ・しげお)氏
各務 茂雄(かがみ・しげお)氏
1994年、INSエンジニアリング(現ドコモ・システムズ)入社。楽天、米マイクロソフトなどを経て2017年1月ドワンゴ入社。2019年4月よりKADOKAWA Connected社長。2019年7月よりKADOKAWA執行役員を兼務。ドワンゴICTサービス本部長も兼務。(写真:陶山 勉)
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 「日本の文化を残したい」。2年前の2018年に角川歴彦会長から言われた言葉が心に残っている。私のキャリアを振り返れば外資系企業で働いた期間が長い。そのためか、かえって日本を思う気持ちが強まった。デジタルの力を使って日本のメディア、ひいては日本の文化を盛り上げることに貢献したいとの思いで日々仕事している。

 KADOKAWAはグループ全体のDX(デジタル変革)を推進する子会社としてKADOKAWA Connectedを2019年4月に設立し、私が社長に就任した。KADOKAWAグループ各社のIT部門などからエンジニアを集結させ、社員は150人を超える。

 私とKADOKAWAの関わりは2017年1月に動画共有サイト「ニコニコ動画」などを運営するドワンゴに入社してからだ。ドワンゴとKADOKAWAは2014年に経営統合していた。

 当時、ニコ動やニコニコ生放送のインフラ改革はドワンゴにとって長年の懸案事項だった。急成長したために、つぎはぎだらけのシステムやネットワークで運営していた。

 数千台のサーバーでシステムを構築・運用していたが、システム全体の老朽化が進んでいた。ネットワークも3世代分のインフラが併存しているような状態で、古い機材の置き換えも難しかった。私はインフラチームのメンバーとともにこれらの「技術負債」を全て洗い出した。その上で、今後導入するサーバーはすべて仮想化することにした。ネットワークインフラは最新のものに統一し、DevOpsを取り入れて運用を自動化するなどの地道な取り組みを積み上げた。