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メガバンクのCIO(最高情報責任者)として攻めと守りのバランスを重視する。勘定系を含めてDX(デジタル変革)全般に目配りできるIT部門を目指す。システム内製化を進め、目指すは事業部門を引っ張る「DXコンサル」だ。

内川 淳(うちかわ・じゅん)氏
内川 淳(うちかわ・じゅん)氏
1988年3月東京大学理学部卒、同年4月住友銀行(現三井住友銀行)入行。2018年4月三井住友フィナンシャルグループ執行役員IT企画部長。2021年4月常務執行役員。2022年4月から現職。三井住友銀行取締役兼専務執行役員などを兼務。(写真:北山 宏一)
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 ITは攻めと守りのバランスが重要だ。グループCIO(最高情報責任者)として、攻めと守りの両方に目配りできる「両利きのIT組織」をつくることを基本的な考え方にしている。従来の守りの領域だけでなく攻めの領域でも、IT部門が「DX(デジタル変革)コンサルタント」としてビジネスサイドを引っ張る存在になることが目標だ。

 両利きのIT組織をつくり上げるため、現在システムの内製化を進めている。攻め、守りの双方で自ら手を動かせるようになって初めて、両利きになれると考えている。グループのITを担う子会社の日本総合研究所には、プロジェクトマネジメントにたけた人材は大勢いるが、自前開発はあまりやってこず、IT企業に頼る部分が多かった。これではいけないと考え、特に攻めの領域の強化に向け内製化に舵(かじ)を切った。

 3年ほど前に、外部から人材を採用し、日本総研にアジャイル開発チームをつくった。ビジネスサイドと一体になって開発を進めている。例えば銀行の業務領域に関する規制緩和に合わせ、温暖化ガスの排出量を可視化するクラウドサービス「Sustana」を開発し、2022年5月に企業向けに提供を始めた。既存の技術者もアジャイル開発チームに参画し、リスキリング(学び直し)の場としても機能させている。