全1734文字
PR

パソナグループが淡路島に大型のデジタル拠点を立ち上げる。本社機能の大半を移転する計画の一環で、IT部門の拠点も淡路島に置く。主導するCIOの河野一氏はこれを機にIT部員の働き方の多様化も目指す。

河野 一(こうの・はじめ)氏
河野 一(こうの・はじめ)氏
2007年パソナ入社。基幹システム構築などのプロジェクト責任者、グループITシェアード会社の取締役を経て、2016年9月にパソナグループ グループIT統括本部長。2018年9月より現職。(写真:北山 宏一)
[画像のクリックで拡大表示]

 パソナグループは2020年9月に、本社機能を兵庫県の淡路島の拠点に段階的に移転すると発表した。パソナグループで働く人々の「真に豊かな生き方・働き方」の実現とBCP(事業継続計画)対策のためだ。

 移転はIT部門とその業務も対象になっており、これから立ち上げる「DX・BPOセンター淡路」というデジタル拠点に順次入居する。この拠点をいかに活性化させて成功させるかが、CIO(最高情報責任者)である私にとって今最も重要な役目だ。

センター名に込めた狙い

 DX・BPOセンター淡路の役割は大きく2つある。1つはインサイドセールスの効率化や高度化などパソナグループ内のDX(デジタル変革)を進めること。もう1つは給与計算などのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業の競争力強化だ。センター名にDXとBPOの文字を並べたのは、両者を表裏一体のものとして進める必要があるとの認識からだ。

 IT部門の移転についてはまだ計画の段階だが、数十人が淡路島に転勤する予定だ。ただ具体的な人数の目標は設けていない。働き方についても様々なオプションを用意するつもりで、IT部員は必ずしも淡路島に定住するとは限らない。3週間とか6カ月とかプロジェクト単位で淡路島に滞在するケースも想定している。最近話題になっている「ワーケーション」のようなワークスタイルと言えばイメージしやすいかもしれない。

 個々の事業を担うグループ会社と一緒に進めるDXでは、対面ではなくリモートで実施するケースもあるだろう。IT部員に対しては、転居は難しいなどの個人の事情や考え方をヒアリングして配慮する。

 私自身はと言えば、既に経営会議が淡路島で開かれている関係で、東京と淡路島を行ったり来たりする生活を送っている。月2回ほど淡路島を訪れて、1週間ほど滞在して、淡路島での業務をこなしていくというスタイルだ。

 IT部門の移転にあたり、基幹システムなどの保守運用体制をどうするかは課題にはならない。協力パートナーであるITベンダーのエンジニアにも淡路島に来てもらう必要はない。そもそも、ここ数年でシステムの内製化やクラウド化を進めており、ITベンダーのエンジニアが常駐していないからだ。