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JFEスチールが製鉄所の基幹系システム刷新に挑んでいる。独自言語を読み解く難プロジェクトだがCIOは「今しかない」とやり抜く覚悟だ。鉄の意志で環境変化に柔軟に対応できるシステムに変え、DXにつなげる。

新田 哲(にった・あきら)氏
新田 哲(にった・あきら)氏
1963年生まれ。1986年4月、日本鋼管(NKK)に入社。社内SEや営業担当者を歴任する。2002年、川崎製鉄と経営統合した後はJFEスチールでシステム統合プロジェクトに携わる。2014年4月にIT改革推進部長、2018年4月より現職。(写真:陶山 勉)
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 事業環境の変化に追随できる柔軟な情報システムを構築する。これがIT部門を率いる私の最大のミッションだ。ここ20年ほどの間に、原材料の価格や顧客の需要が大きく変動するようになったためだ。

 ミッションの下、いま心血を注いでいるのが、製鉄所の基幹系システムの刷新。製造プロセスを制御する重要システムだ。製鉄所のシステムはその製鉄所が建築されたときに同時に作られた。当社の場合、主に1970年代に構築したものが動いている。

 今までは製鉄所ごとにバラバラに基幹系システムが存在していたが、刷新とともにデータベースを統合する。これにより、製造工程のビッグデータを全社的に活用できるようにする。同時に各製鉄所の業務プロセスを統一し、業務を効率化するつもりだ、

 全製鉄所の生産状況をリアルタイムにデータにできるようになり、製鉄所間をまたがる最適な生産計画も作れるようになる。これまでにないスピードで顧客の要望に応えられるはずだ。

 鉄鋼製品は顧客の要望に沿って作るオーダーメード品だ。用途によって成分が異なるためだ。1つの製品をデータベースに登録する際の属性情報は約3000項目、多い場合は約6000項目にも及ぶ。それほど1品1品、製品仕様が異なるのだ。当然、製品を受注するたびに生産計画を策定し直す必要がある。新たな基幹系システムが完成すれば、そのリードタイムを短縮でき、事業環境の変化に対応しやすくなる。

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