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北海道北見市は独自開発の「窓口支援システム」を導入。住民が申請書に記入せず手続きできるワンストップの窓口を実現した。利用者の利便性向上だけでなく、職員の業務効率改善にも貢献している。

2021年1月に移転した新庁舎(写真提供:北見市)
2021年1月に移転した新庁舎(写真提供:北見市)
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 2021年1月に新庁舎に移転した北海道北見市役所本庁舎。ここには来庁者が紙の申請書に手書きするための記載台がない。北見市は「窓口支援システム」の導入により、利用者が申請書に手書きすることなく手続きができる「書かない窓口」と、複数の部署をまたぐ手続きが1つの窓口で完了するワンストップの窓口サービスを実現した。

図 窓口支援システムによる、北見市の窓口受付対応の流れ
図 窓口支援システムによる、北見市の窓口受付対応の流れ
来庁者が用紙に記入不要な「書かない窓口」
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 来庁者からは「手続きが楽になった」と好評だ。さらに、申請を受けた後の職員による確認作業や修正が減り、事務作業の軽減につながった。

 窓口支援システムを使った窓口受付の流れはこうだ。まず窓口で職員が来庁者から来庁の目的を確認したうえで、窓口支援システムのナビゲーションに従って、届け出や申請に必要な氏名や住所などを来庁者から聞き取る。それを職員が端末に入力すると、窓口支援システムが庁内の各業務システムからデータを参照したうえで、必要事項を印字した届け出書や申請書を作成、印刷する。来庁者はこの内容を確認し、署名するだけで必要な書類ができあがる。書類はその場で職員が受け取り、バックオフィスで処理する。

 さらに、この時入力したデータを基に、関連して必要となるほかの手続きを自動的にリスト化したり、関連する申請書の印字に活用したりする。