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化粧品メーカーのコーセーが営業支援タブレットシステムを更改している。AWS上のコンテナ基盤を活用し、ログイン障害件数を0件に抑制。マイクロサービス化を視野に、機能追加や改修時の影響範囲を縮小した。

(写真提供:コーセー)
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 化粧品メーカーのコーセーがタブレットを用いた営業支援システム「K-PAD」の更改を進めている。デパートなどの店頭で接客に当たる店員が、手元のタブレットを用いて顧客や商品の情報を参照しながら接客に活用する。サーバー側のシステムはこれまで米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のクラウドサービス上で仮想マシン1台のみが稼働していたが、2021年10月にコンテナ基盤へ移行。複数のコンテナを用意するなどインフラを改善してきた結果、それまで多発していた不具合が解消し、処理速度は6倍に向上した。今後はアプリケーションのマイクロサービス化を視野に、アプリの最適化に取り組む。

(写真提供:コーセー)
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 新システムではAWSのコンテナ実行サービス「Amazon Elastic Container Service(ECS)」のサーバーレスオプション「AWS Fargate」を採用するなどサーバーレス化を進めた。仮想マシンやコンテナなどの実行環境を構築・管理する必要がなくなり、開発のスピードアップやコスト削減につながる。

 開発ベンダーとAWSのコンサルティングサービス「AWSプロフェッショナルサービス」のメンバーを巻き込んだ内製体制を構築。社外の力を生かしてシステム開発を進めながら、標準化を行い、開発ノウハウを社内に蓄積している。