大阪府高槻市がBCP(事業継続計画)強化を狙い、新しいIT基盤を構築した。仮想化技術の「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)」を採用。ITベンダーに頼らず自力で迅速にシステムを復旧できる体制を整えた。
「大規模災害などでシステムが止まった際、ITのスキルにたけた職員が現場に居合わせているとは限らない。そんな時でも迅速に復旧できるシステムを目指した」――。
大阪府高槻市が新たな仮想基盤を導入した経緯について、同市の前尚徳総合戦略部情報戦略室主査はこう話す。
高槻市は大阪府の北部に位置し、大阪市と京都市の両方にほど近いことからベッドタウンとして発展した。ハイキングスポットとして人気の「摂津峡」や、淀川流域で最大級の前方後円墳がある「今城塚古墳」といった観光資源を有する。
同市は2020年11月までに「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)」と呼ぶ仮想化技術を用いた新しいIT基盤を構築。電子メールや電子掲示板、スケジュール管理、施設予約といった機能を持つグループウエアやファイルサーバーなど、2000人を超える市職員が使う情報系システムの一部を稼働させた。