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六本木ヒルズや表参道ヒルズなどをつなぐデジタルプラットフォームを開発。「ヒルズID」と「ヒルズアプリ」を提供し、段階的にサービスを拡充する。ヒルズの敷地全体が仕事や生活の場になるよう布石を打つ。
森ビルは1986年に開業した複合施設の「アークヒルズ」(東京・港)を皮切りに、オフィスや住宅、文化施設などの都市機能を集約したコンパクトシティーを東京都心に開発してきた。2003年に開業した「六本木ヒルズ」(同)以降は、施設を一体で運営するためのルールやインフラを構築する「タウンマネジメント」という手法を導入し、施設を「街」に見立ててコミュニティーを育んでいる。
同社は2021年4月5日、ヒルズを利用するオフィスワーカー、商業施設の来訪者、居住者などを対象に新サービスの提供を開始した。その基盤として同社が新たに開発したのが、六本木ヒルズや表参道ヒルズ、虎ノ門ヒルズなど自社が運営・管理する施設のサービスを統合したデジタルプラットフォーム「ヒルズネットワーク」である。利用者が共通して利用する「ヒルズID」と「ヒルズアプリ」を提供し、段階的にサービスを拡充する。利用者に適したサービスの提供、体験価値の向上、森ビルによる施設運営の最適化などを目指す。