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ダイセルはプラントの変調検知と運転最適化にAI(人工知能)を活用した。AIをブラックボックスにしないという設計思想でアルゴリズムを開発。早期発見と対応の迅速化などで、年間100億円のコスト削減効果を見込む。

姫路製造所網干工場統合生産センター内のコントロール室。同工場のプラント(下)の運転状況は、ここのモニター計52台により24時間体制で監視
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 液晶の偏光板保護フィルムに使われる酢酸セルロースなどで世界大手のダイセルが「自律型生産システム」を開発した。プラント異常の予兆を早期に捉え運転操作の条件を最適化する。実証実験での効果検証を経て、2021年4月に同社の姫路製造所網干工場にあるプラントの運転管理に本格導入した。

 同システムによって、プラントの運転に変調があった場合の検知と対応が迅速になった。また、変調時の対応フローを効率化して管理職の関与をなくし、作業者の負荷も減らした。

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