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JTBは訪日外国人旅行者の需要を取り込むため、観光支援アプリを開発した。ハッカソンで事業部門と開発者が一体となり、アジャイル開発で完遂させた。複数のAIサービスを組み合わせたチャットボットが新たな「添乗員」となる。

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 人工知能(AI)を搭載したチャットボットがツアー添乗員のようにアプリ内に常駐し、土地勘の無い訪日客が行きたい場所や知りたい情報を手軽に調べられるように手助けする――。JTBはこうした考えに基づき、訪日客向け観光支援スマホアプリ「JAPAN Trip Navigator」を開発した。高まるインバウンド需要を取り込むのが狙いだ。

 2018年2月にiOS版を、3月にAndroid版を提供し、8月から本格的なPR活動を展開する。ライバルアプリが少ない今、一気にシェアを広げて、政府が訪日客数の目標を4000万人と定める2020年までに200万ダウンロードを目指す。

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訪日客向けのプラットフォームに

 無料の同アプリは訪日客に人気の5地域(北海道、関東、京都・大阪、九州、沖縄)を対象に、JTBが作成した100通り以上の観光モデルプランを提供する。モデルプランはJTBが選んだ訪日客向けの観光スポット情報を約3600件以上含んでいる。店舗の営業時間や現地の様子を画像で確認できるだけでなく、ナビタイムジャパンが提供するスマホアプリと連携して観光スポットまでの経路を検索できるようにした。JTBが提供する訪日客向け旅行サイト「JAPANiCAN.com」とも連携し、宿泊施設を予約できる。

図 観光支援アプリ「JAPAN Trip Navigator」のシステム概要
図 観光支援アプリ「JAPAN Trip Navigator」のシステム概要
AIチャットボットが観光情報を案内(画像出所:JTB、ナビタイムジャパン)
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 豊富な機能をナビゲートするのがアプリ画面に常駐するチャットボットの「Miko」だ。その名の通り、みこをイメージしたキャラクターと英語でチャットしながら、訪日客は観光スポットやモデルプランを調べられる。

 「チャットボットが訪日客の滞在中にずっと添乗員のように寄り添うことで、これまで必ずしも多いとは言えなかった旅行中の訪日客との接点を増やしたい」。JTBの吉永善顕訪日インバウンドビジネス推進担当マネージャーはアプリ開発の狙いをこう話す。

JTBの吉永善顕訪日インバウンドビジネス推進担当マネージャー(左)と、沢田浩幸ITコンサルティング担当マネージャー
JTBの吉永善顕訪日インバウンドビジネス推進担当マネージャー(左)と、沢田浩幸ITコンサルティング担当マネージャー
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 さらに利便性を高めるため、自治体や観光サービス関連企業との協業を通じた機能強化を急ぐ。坪井泰博取締役訪日インバウンドビジネス推進部長は「無料Wi-Fiやタクシー配車、レストラン予約といった新しい機能について協業先と話を進めている。早期に実現していく」と意気込み、訪日客向けのプラットフォームを狙う構えだ。