全3651文字
PR

大和ハウス工業の人事部がノーコード開発ツールを使いシステムを内製。ITベンダーに依存することなく業務のデジタル化を推進している。リリース後も利用者の声を聞きながら改善を繰り返し、使い勝手を高めている。

大阪市の本社ビル(写真提供:大和ハウス工業)
大阪市の本社ビル(写真提供:大和ハウス工業)
[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

 「社内制度の急な改定など、人事部は即時に対応しなければならないことが多い。そのため自分たちでシステムを開発し、急な変更にも対応できる体制を整えたかった」。大和ハウス工業の相川光一郎経営管理本部人事部シェアードサービスセンター長は、人事部でノーコード開発ツールの活用を進める狙いをこう語る。同社は2020年11月から同ツールを使ったシステム開発に取り組み、2021年8月までに12の業務をデジタル化した。「業務を最も良く知る現場社員が開発するので、本当に使いやすいシステムがつくれる」(相川センター長)。

販売する高級戸建て住宅「xevoΣ PREMIUM」(ジーヴォシグマ プレミアム)(写真提供:大和ハウス工業)
販売する高級戸建て住宅「xevoΣ PREMIUM」(ジーヴォシグマ プレミアム)(写真提供:大和ハウス工業)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社にとって、人事部の業務のデジタル化は長年の課題だった。2014年に情報システム部から人事部へ異動した相川センター長は、「(人事部の業務は)紙でのやり取りが多く、書類チェックもデジタル化されておらず非効率な部分を感じていた」という。「人事は本来、社員のパフォーマンスを上げることを考えるのが仕事。しかし、その人事自身が事務処理や紙の書類の対応に時間をとられているケースが多かった」(相川センター長)。システム化によって人事業務を効率化できないか検討を進めた。