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日鉄興和不動産が新たなマンション販売の手法に挑戦している。情報収集から購入、入居までのやり取りをリモートで完結するサービスだ。顧客が抱くオンラインゆえの不安を払拭できるような工夫も施している。

 住宅ローンの低金利やマンション価格の上昇、働き方の変化などを背景に関心が高まるマンション購入。そうした中でデベロッパーである日鉄興和不動産はデジタルを活用してDX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、これまでになかったマンション販売方法に挑んでいる。

 同社がその中核に据えるのが2021年7月16日に始めた新築マンションのオンライン販売サービス「sumune for LIVIO(以下sumune)」だ。sumuneの特徴は、Webサイトに掲載してあるマンションの情報取得や購入手続きがオンライン上で完結することだ。

sumuneで購入できるマンション(写真提供:日鉄興和不動産)
sumuneで購入できるマンション(写真提供:日鉄興和不動産)
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部屋のイメージ(写真提供:日鉄興和不動産)
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 日鉄興和不動産住宅事業本部販売統括部販売推進グループの冨田雄也チーフマネージャーは、「対面や紙ありきというこれまでの販売方法を見直し、オンライン上で便利かつ不安なく購入できるサービス設計にしている」と説明する。「モデルルームを訪問して長時間やり取りするのは苦手」といったこれまで接点を持てなかった顧客層にもアプローチでき、価格が3000万~4000万円ほどの都内1LDKマンションが、サービス開始から約3カ月ですでに5部屋売れた。これは想定以上の滑り出しだという。

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 同社にとっては接客をはじめとした人件費が大幅に削減できる上、1部屋分で1500万円ほどかかるモデルルームの作成費用、1カ月あたり200万円ほどかかるモデルルームの家賃といったコストが削減できる。

 削減したコストの一部は顧客へ還元しており、sumune経由で購入した顧客に対して、100万円分のポイントを付与している。購入費用や諸費用に充てられるため、実質的な値引きになる。

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