
極言正論
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COCOAは「その程度の存在」 政府システムの重大な欠陥とは
2021年2月3日の厚生労働省の発表には驚いた。新型コロナウイルス感染の拡大防止策として導入した接触確認アプリCOCOA(ココア)で、Android版の不具合を4カ月以上にもわたり放置していたことが明らかにされたからだ。陽性登録したアプリ利用者と接触しても検知・通知されない障害というから、重大な不…
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DXの裾野が広がらない謎 2つの調査から垣間見える問題点
日本企業の間で、意外なほどDX(デジタル変革)の「裾野」が広がっていない。経済産業省が2020年12月末に公表した報告書「DXレポート2(中間取りまとめ)」によると、92%の企業が「未着手」や「一部での実施」のレベルにとどまっていたという。
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デジタルで基幹産業が危ない 自動車は家電の轍を踏むか
以前から噂されていた米アップルによる自動車市場への参入が、いよいよ現実のものとなりつつある。2021年に入って、韓国の現代自動車がアップルと交渉中であることを認めたため、「アップルカー」の現実味が一気に増した。高い参入障壁を築き繁栄を謳歌してきた自動車産業にも、巨大なデジタルディスラプター(デジタ…
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漂い始めたDXを巡る不穏な空気 変革か守りか、「勝負の1年」に
平時には変革は難しい。だが天変地異や大きな社会変動に直面すれば、個々の企業にも変革の機運が芽生える――。そんな話をすれば誰もが同意してくれるだろう。そして時は今だ。
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「製品」としてのサービスが必要 ぬるま湯のIT業界よ、変わるべし
年が変わるたびに「今年こそ」と書いて、もう何年が過ぎ去ったであろうか。何の話かと言うと、日本のIT業界の変革である。
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なぜ東証の社長は辞任したのか システム障害の経営責任を問う
東京証券取引所の宮原幸一郎社長が2020年11月30日付で辞任した。10月1日に起きた大規模システム障害で売買を終日停止した責任を取った形だ。東証などを傘下に収める日本取引所グループ(JPX)の指名委員会や取締役会では解任の必要はないとしていたにもかかわらず、宮原氏が自ら責任を取って辞任したという…
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デジタルは「手段」でなく「前提」 顧客ニーズの激変を捉えよ
新型コロナウイルス禍が収束の気配を見せない。開発中のワクチンに高い有効性が確認されたとの報道が相次いでいるのは明るい兆しだが、足元では感染者が増えており、感染拡大の第3波の様相を呈している。
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経済のデジタル化とグリーン化 コロナ後の復興に必要な視点
デジタル庁の創設など行政や日本社会のDX(デジタル変革)を重要政策として掲げた菅義偉内閣が、新たに注目すべき政策を打ち出した。菅首相が2020年10月26日の所信表明演説において、温暖化ガスの排出量を「2050年までに全体としてゼロにする」ことを明らかにしたのだ。
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GAFAに代わる次世代の覇者は? グーグル訴訟に見る20年の周期
GAFAに取って代わる次世代の覇者はどこか――。そんなことを考えるべき時期になったのかもしれない。
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東証の障害は他人事にあらず デジタル時代のリスクに備えよ
2020年10月1日に発生した東京証券取引所のシステム障害により、終日にわたり株式取引ができなくなった問題が波紋を広げている。システムの再起動が可能であったにもかかわらず、取引開始時間前に受け付けていた注文の取り扱いを巡り大きな混乱が予想されるとして、終日の売買停止を選択せざるを得なかったからだ。
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ドコモ、ゆうちょ銀での不正利用 大事件である本当の理由
2020年9月4日、仙台市に本店を構える七十七銀行が「ドコモ口座において、不正に盗み出した口座番号やキャッシュカードの暗証番号などの情報を使用した当行口座の不正利用が発生した」と公表したのが、一連の騒動の発端だった。
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急がれる「理系間接部門」の復活 IT部門の再建に必要な視点とは
ユーザー企業のCIO(最高情報責任者)から、IT部門の再建の話を聞かされることが増えた。プログラミングスキルなど部員の技術力を高め、システム開発は原則として内製に戻す。「丸投げ」とも称されるITベンダーへの依存を改め、技術力を蓄積しDX(デジタル変革)に資する組織に変えようというわけだ。
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新政権のデジタル継承は可能か e-Japanの失敗を繰り返すな
突然の首相交代だった。「安倍1強体制」とも呼ばれ、7年8カ月に及んだ長期政権があっけなく幕を閉じ、新政権が発足することになった。
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国内IT企業が新事業で成功しない訳 経営者に欠如している「模倣力」
新型コロナウイルス禍によりビジネスや人々の生活は大きな変容を迫られた。この結果、既存のビジネスの多くが苦況に陥る一方で、新たなビジネスチャンスも生まれている。特に非接触、リモートがビジネスの新常態になったため、IT分野ではそれを前提としたサービスが急成長を遂げつつある。
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「経営者の誰もがDXを熱く語る」 では、誰が標準化を主導する?
「新型コロナウイルス禍を機に、全ての経営者が自社のDX(デジタル変革)について語るようになった」。投資信託を運用するファンドマネジャーがそんな話をしていた。一時、企業の株価が軒並み暴落したこともあり、投資先の企業の経営者とWeb会議システムを使ってミーティングを重ねているとのことで、その際に経営者…
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コロナ禍への対応は矮小な議論 デジタル革命の進展を見失うな
新型コロナウイルス禍を機に社会はどう変わるのか。企業は何をなすべきか――。今、そんな議論が各方面で巻き起こっている。いわゆる「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の議論だ。感染拡大の防止のためテレワークが普及したことなどを根拠に、個々の企業や社会全体でデジタル活用が進むと見る向きは多い。
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「プロのCIO」をシェアせよ 今やIT担当役員は転職が当たり前
日経コンピュータ2020年7月9号の「CIOが挑む」に登場したチューリッヒ保険の木場武政氏が興味深い話をしている。東急ハンズ元CIO(最高情報責任者)の長谷川秀樹氏らと「CIOシェアリング協議会」を作ったというのだ。CIOが不在の企業に対して、現役CIOやCIO経験者が自身のスキルや能力を提供する…
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コロナ禍でジョブ型雇用に脚光 DX人材の獲得へ導入進めよ
日本企業の間で、ジョブ型雇用を導入する動きがにわかに活発になってきた。ジョブ型雇用とは仕事内容を詳細に記述したジョブディスクリプション(JD、職務記述書)に基づいて働く雇用制度で、欧米企業などが広く採用している。経団連が以前から導入を働きかけてきたが、新型コロナウイルス禍を機に、多くの企業が本格導…
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AIなど専門性だけでは足りない 技術者はアートを学ぶべし
「われは湖(うみ)の子 さすらいの」で始まる『琵琶湖周航の歌』をご存じだろうか。
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緊急事態にITを活用できない 国と企業が抱える共通の課題とは
2020年5月25日に緊急事態宣言が全面解除され、日本は新型コロナウイルス禍の最悪期から脱した。外国のようなロックダウン(都市封鎖)や移動制限といった強力な措置を取らず、新型コロナの感染の有無を調べるPCR検査も十分に実施できなかったにもかかわらず、感染爆発という悲惨な状況に追い込まれることはなか…