公正取引委員会の調査によると、飲食店の情報を掲載している「飲食店ポータルサイト」によって不利益を被ったことがあるという回答が1091店舗のうち319店舗(29.2%)に上った。
被った不利益は「不適切な情報を掲載された」が42.0%、「不当な評点・口コミを付けられた」が39.2%だった。
不利益を被った319店舗のうち、サイトに削除や修正を求めたことのある店舗は53.6%に上った。一部サイトは消費者が自由に投稿できるため不正確な情報が投稿されることがあるという。
削除・訂正を求めた店舗のうち、「拒否された」「特段の対応なし(無反応・申請中)」が計48.3%あった。なかには「会員になることを勧められた(会員でないと修正できない旨を説明された)」と回答した店舗も5.2%あった。
一方、同委員会がサイト運営会社に書面で調査したところ、店舗情報の掲載に手数料を設定しているサイトの多くは、高額な手数料を支払った店舗を上位に表示している。競争が激しい地域では高額な手数料に加えて閲覧者数や空席数などを基に独自のアルゴリズムで表示順位を決めているという。
表示順序が上位であれば消費者に閲覧されやすい。同委員会が消費者を対象に調査したところ、消費者の59.4%は多くても3ページ目までしか閲覧していないという。
同委員会はサイトに表示する店舗の順位や評価を決めるアルゴリズムなどについて、サイト運営会社が第三者によるチェック体制を構築するなどによって公正で自由な競争環境を確保する対応が望ましいと指摘している。