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京都市は総額117億円を投じた基幹系システムの刷新を一部を除き中断した。国が自治体システムの標準化を決め、再度の改変が必要になるとみたからだ。最悪の場合は投資額の100億円近くが無駄に終わる可能性がある。2016年の延期後にベンダーを切り替えたが、2019年に再度の延期を決定。開発遅延の背景には進捗管理の甘さや協力体制の不備、想定不足があった。

 「結果についての責任は市長である私にある。専門性の高い業務であり、コロナ禍など様々な(阻害)要素があった。だからこそ情報の共有や進捗管理をしっかりと行い、的確に判断しなければならなかった。猛省している」。

 京都市の門川大作市長は2020年9月30日、2014年から取り組んできた市の基幹業務システム刷新を一部機能を除いて中断すると発表した。門川市長は発表後の10月16日に開かれた京都市会(市議会)・決算特別委員会で、開発中断は自らに責任があると発言し、市の体制に問題があったと認めた。

 京都市の基幹系システム刷新事業は稼働延期を繰り返してきた。当初は2017年1~11月の順次稼働を予定していたが、直前の2016年11月に1回目の延期を決めた。延期の原因究明を経て稼働時期を2020年1月~2021年1月と約3年延ばしたが、やはり直前の2019年12月に2回目の延期を発表。一部機能は延期後の新たな稼働時期を明言できない状況だった。

 京都市の基幹系システム刷新を巡っては、1回目の延期時に開発が遅れた機能について契約ベンダーを選定し直し、再起を図ったはずだった。最初の契約ベンダーとは現在も訴訟を抱えている。なぜ京都市はその後も開発の延期を繰り返したのか。

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図 京都市が基幹系システム刷新を中断するまでの経緯
図 京都市が基幹系システム刷新を中断するまでの経緯
開発ベンダーを切り替えても再び遅延が発生した
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