
日経コンピュータ「動かないコンピュータ」
目次
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競輪の全レースを2日間開催できず 手順書に不備、システムが全面停止
JKA(競輪統括団体)
競輪の全レースが2日間にわたって中止される異例の事態が起こった。業務マニュアルの不備で選手データの更新処理が期限に間に合わず、データの不整合が発生。夜間のバッチ処理が異常終了し、競輪を支える中核システムが全面ダウンした。
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「動かないコンピュータ」緊急版、自治体クラウド大規模障害の深層
日本電子計算
2019年12月4日に日本電子計算の自治体向けクラウドが停止した。47自治体などのシステムが一斉にダウンし、業務や住民サービスに影響が出た。ストレージ機器のファームウエア不具合が直接の原因だが、バックアップ機能にも問題があり15%のデータがクラウド上で消失。自治体システムは全面復旧の見通しが付いて…
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大型台風でNTT東の13万回線と携帯3社の4900基地局が停止、復旧が遅れた真相
NTT東日本、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク
2019年9月に台風15号が日本を襲い、続く10月には台風19号が上陸した。猛威により関東地方などで固定と携帯の通信サービスが止まった。15号では電柱の倒壊や道路の寸断、19号では堤防の決壊による設備の浸水など、通信事業者にとって厳しい事態が続いた。復旧まで最長20日間かかるなど、一般的な台風より…
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ウーバー自動運転車の人身事故で3つの技術的欠陥が判明、歩行者を認識できず
米ウーバーテクノロジーズの自動運転車による歩行者死亡事故の原因が分かった。自動運転システムは、道路を横切る歩行者を認識できなかった。前方に障害物を発見しても、1秒間は自動ブレーキが動作しない設定でもあった。障害物がないのにあると誤認識する率が高かったため、ブレーキを抑制していた。技術レベルが低いま…
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機密管理システムを一度も使わず廃止、総務省が18億円「無駄遣い」
総務省
サイバー攻撃から機密情報を守るにはインターネットとの完全隔離が必要だ─。こうした方針の下、総務省は政府のIT基盤「政府共通プラットフォーム」上で、高セキュリティーを確保した専用区画「セキュアゾーン」を2017年に構築した。ところが利用実績が全くなく、わずか2年で廃止した。対策があまりに強固すぎて利…
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プレスリリース配信サービスが停止、「二重化対策」に意外な落とし穴
PR TIMES
プレスリリース配信サービスを手がけるPR TIMESのサービスが7時間停止し、89本のプレスリリースが配信できなくなった。原因はネットワークスイッチの異常停止。データセンターを移行中だったためネットワークを含めた二重化ができておらず、システム全体が止まった。初動体制の見直しとデータセンターの早期移…
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消費税は0%から18%まで、増税システム障害を総まとめ
あきんどスシロー、セコマなど
2019年10月1日に3度目となる消費増税が実施され、軽減税率制度も始まった。同日、消費冷え込みを防ぐ目的などで、「キャッシュレス・ポイント還元事業」もスタート。複数の制度変更が重なったことによりIT対応が難しさを増し、全国の小売店や鉄道会社などでシステム障害が発生した。
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日本最古の公開NTPサービスが廃止へ、世界中からアクセスが殺到した深いワケ
福岡大学
福岡大学はコンピューターが時刻合わせに使う「公開NTPサービス」を廃止する。草分けとして26年間にわたり世界に向けて無償公開してきた。だがインターネットを介して世界中から時刻合わせのアクセスが殺到し、学内ネットワークがインターネットにアクセスできないトラブルに4回見舞われた。
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ふるさと納税が控除されないトラブル、全国の自治体で操作ミス相次ぐ
[地方税共同機構]
2018年分のふるさと納税で、税控除額が正しく計算されない事象が相次ぎ発生した。確定申告の手間を省く「ワンストップ特例制度」のシステムに不具合があった。システムの設計に不備があり、自治体での操作ミスが頻発。納税データが住所地の自治体に届かず、税額計算に影響した。自治体の実情を十分配慮せず電子化を急…
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AWS大障害の真相、不具合が連鎖して冗長構成の「安全神話」が崩壊
米アマゾン・ウェブ・サービス
2019年8月23日午後、Amazon Web Services(AWS)が6時間ほど停止した。日本のクラウド市場で5割近いシェアを持つだけに影響は大きかった。原因は東京リージョンの一部エリアで発生した空調設備の故障だ。制御システムにフェイルオーバーしないバグがあり、機器制御装置も異常動作した。
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改元システム対応に不備、大分県の2市で入札がやり直しに
大分県佐伯市・臼杵市
大分県の佐伯市と臼杵市で「積算システム」に不具合が発生した。工事の予定金額を誤って計算し、複数の入札がやり直しになった。原因は2019年5月1日の改元対応に伴うシステム改修にあった。システム内部の条件分岐に和暦を使っていたため、改元後に異なる地区の資材単価が適用され、誤りを生んだ。
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7pay不正利用問題の深層、システムの不備が相次ぎ発覚
セブン&アイ・ホールディングス
セブン&アイ・ホールディングスのQRコード決済サービスで不正利用が起きた。同社が被害を認定した利用者は約1600人、被害額は約3200万円に上る。ようやく立ち上がりつつあったQR決済市場に冷や水を浴びせた格好だ。「外部ID連携」の脆弱性など、システムの不備も相次ぎ見つかった。考えられる攻撃手法は複…
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Oracle DBの「非公開バグ」が表面化、大阪市基幹システム障害の真相
大阪市
大阪市で住民票などの証明書発行業務を担う基幹システムが停止。復旧まで21時間を要し、8000件近い証明書発行業務に影響が及んだ。原因はOracle Databaseのクラスタ機能に潜むバグだった。ネットワークの不調をきっかけにシステムが停止し、再起動もできなくなった。米オラクルはバグの存在を把握し…
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全国30万店でキャッシュレス決済障害、凸版印刷と富士通系のサービスに不備
凸版印刷、富士通エフ・アイ・ピー
2019年5月、30万店以上で電子マネーやQRコードを使った決済が4度完了しにくくなった。凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーが共同運営する決済系サービスでデータベースサーバーを入れ替えたところ、立て続けに障害が発生したためだ。トラブル対応に不手際があり、影響を拡大させた。
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アニメ「ラブライブ!」のサイトが乗っ取り被害、悪用された「10日ルール」
サンライズ
人気アニメの公式Webサイトが何者かに乗っ取られ無関係な内容が表示されるトラブルが起きた。犯人はドメイン管理会社が設定したドメイン移転に関するルールを悪用。サイトを運営するサンライズとドメイン管理会社の連絡体制にも不備があった。
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東電のスマートメーターが相次ぎ発火、部品損傷と施工不良が発生
東京電力パワーグリッド
東京電力パワーグリッドが2020年度までに全顧客に設置を進めるスマートメーターでこれまでに28件の発火事故が起きた。2つの原因が重なり、対策にてこずった。同社は約8万8000台の全対象機種について交換を進めている。並行して施工不良の恐れがある場所を特定して、対策を急ぐ方針だ。
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「1989年5月7日」や「平成3元年」、令和対応トラブルが日本全国で相次ぐ
横浜銀行、世田谷区、楽天銀行など
2019年5月1日、新元号「令和」の時代が幕を開けた。政府は情報システムへの影響を勘案して1カ月前の4月1日に新元号を公表したが、それでも対応漏れなどによるシステムトラブルが続出した。横浜銀行と北陸銀行、北海道銀行はATMに表示する振込日付を「1989年」と誤り、東京都世田谷区は区民への通知書に「…
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日本全国で電子マネー決済に断続障害、DB高負荷・機器不調など5回以上
TFペイメントサービス
2019年3月末、電子マネー決済サービス「シンカクラウド」に障害が発生した。同サービスを使う全国8万カ所でSuicaなどによる決済がしにくくなった。このトラブルを含め8カ月で5回以上のシステム障害を発生させた。電子マネーの決済システムはキャッシュレス社会を支える金融インフラであり、より一層の安定稼…
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freeeの会計クラウドが150分全停止、大量の「フラグ」がなぜかオフに
freee
freeeは2018年10月末、会計関連のクラウドサービス全てを一時停止させた。ログインがらみの不具合を調べた結果、他の機能の多くが使えない状態と判明。機能を復旧させた際の影響調査のために2時間半、停止させた。復旧後は全社挙げて再発の防止に取り組んでいる。管理システムの機能を見直す、復旧手順を標準…
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COBOLプログラムの改修怠る、厚労省の不適切統計問題の経緯と原因
厚生労働省
厚生労働省のいわゆる「不適切統計問題」について、発生経緯が判明した。不適切な統計によって延べ2015万人分の保険給付金に誤りが生じた問題である。15年前に調査方法を変更した際、システム改修を怠った。統計担当部署のシステム担当職員が出力結果をチェックしていなかった。
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