
日経コンピュータ「動かないコンピュータ」
目次
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三菱食品とインテックのシステム裁判、127億円の賠償求めた真相と争点
三菱食品
三菱食品はシステム構築失敗の損害を巡り2018年11月にインテックを提訴した。日経コンピュータの取材により、一連の経緯と双方の主張が明らかになった。争点はシステムの完成義務とプロジェクト管理義務になりそうだ。
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宅ふぁいる便の平文パスワード480万件流出事件、1カ月たってもサービス再開できず
オージス総研
オージス総研は2019年1月、ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」を停止した。利用者のメールアドレスとパスワードが平文のまま約480万件流出した。暗号化やハッシュ化の必要性は認識していたものの、他の対策を優先し怠った。2月20日時点で「原因や手口は調査中」とし、サービスは再開できていない。流出情報…
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マイニング装置開発を中止した理由、仮想通貨事業で特損355億円のGMO
GMOインターネット
GMOインターネットは2018年度決算で355億円の特別損失を計上すると発表した。仮想通貨のマイニング事業の採算が悪化した。参入時は上昇していたビットコインの相場がその後下がり続けたのが原因だった。自社で進めてきたマイニング装置の開発と販売を中止した影響もあった。事業は縮小して継続するものの、仮想…
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システム障害で外来診療を中止した倉敷中央病院、SDN移行で失敗
倉敷中央病院
倉敷中央病院は2018年7月26日、主要なシステムが使えない事態に陥った。外来診療を終日取りやめ、少なくとも約2400人に影響が出た。前夜のSDNへの移行作業に漏れがあり、ネットワークが全面ダウンしたからだ。再現テストの準備に時間がかかり、原因判明までに2カ月ほどを要した。
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厚労省でずさんなデータ入力委託、個人情報漏洩の懸念
厚生労働省
厚生労働省が外部委託したデータ入力業務が無断で海外企業に再委託された。委託先のSAY企画は日本年金機構でも同様の契約違反をしていた。個人情報の漏洩が懸念されるが、SAY企画だけの責任とみるのは早計だ。契約が遅れ業務が未完にもかかわらず代金を支払うなど厚労省にも問題があった。
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ソフトバンク大規模通信障害の深層、問われる当事者意識
ソフトバンク
ソフトバンクの携帯電話サービスに2018年12月6日午後、大規模な障害が起こった。約3千万回線が日中の4時間半にわたって通話や通信できない異例の事態に陥った。原因は通信の要となる、交換機のソフトの不具合だった。ソフトの異常により認証などの処理が進まず、端末が通信できなくなった。再発防止と信頼回復に…
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航空管制システムの障害、国交省とNTTデータのテスト不足
国土交通省
2018年10月、国交省が航空管制システムを刷新した直後にトラブルが続いた。本稼働した1日に拠点間で情報をやりとりできなくなり、旧システムに戻した。再稼働させた翌日にはサブシステムの1つに障害が発生して85便が遅延した。サブシステムを開発したNTTデータは本番データでテストせず、バグを見逃した。
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国民健康保険システムに実装漏れ、大阪市が延滞金納付書を誤送
大阪市
大阪市は国民健康保険システムの不具合を公表した。2018年9月末のことだ。保険料の支払いが遅れた加入者に送る延滞金納付書の宛先を誤った。延滞者の個人情報が漏洩し、納付書を受け取った一部から誤って料金を徴収した。該当者は200人に1人。まれな事象だったために発覚が遅れた。原因は納付書を作成するプログ…
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東証システム障害の深層、証券会社の明暗分けた縮退運用
東京証券取引所
東京証券取引所の売買システムで10月に6年ぶりのシステム障害が発生し、40社近くの証券会社が一部の注文を送れなくなった。引き金はメリルリンチ日本証券のIPアドレス設定ミス。東証と証券各社の運用の不手際も重なり、影響が広がってしまった。
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dポイント不正利用の教訓、バーコードに潜む罠
NTTドコモ、ローソン
NTTドコモの共通ポイント「dポイント」で不正利用が発覚した。2018年8月のことである。加盟店サイトが不正アクセスを受け、dポイントのポイント残高が盗み見られた。残高の大きなdポイントカード番号が狙われ、商品の購入に使われた。NTTドコモは9月10日に同番号約3万5000件の利用を停止した。
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沖縄戦を語り継ぐサイトが5年で休止、浮かび上がるデジタルアーカイブ問題
沖縄県
沖縄戦について伝えるアーカイブサイトが休止し、再開の見込みが立っていない。沖縄県が7000万円以上の予算をつぎ込み2012年に開設していた。沖縄県は理由としてアクセス数の低下や予算減を挙げる。
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サイバー攻撃の手口は謎のまま、産総研のID8000件漏洩
産業技術総合研究所
5カ月にわたるサイバー攻撃でメールID8000件や研究文書300点以上が漏洩した。引き金は電子メールの全ログインIDを盗み取られたことにある。攻撃者はIDリストの中から脆弱なパスワードを探し出し、140人あまりのアカウントに不正ログインした。攻撃者の正体や手口の詳細は現在も謎のままだ。
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システムが1週間停止した福井県9市町、発端は仮想化ソフト更新
福井県坂井市など9市町
福井県9市町の行政システムが2018年7月22日、障害で使用できなくなった。この結果、証明書発行などの住民向けサービスが停止や縮小に追い込まれた。発端は、ITベンダーがネットワーク仮想化ソフトを最新版に更新したこと。更新後に障害が発生し、システムと庁舎との通信が途絶えた。更新の切り戻しにも失敗。完…
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合併初日に3つのシステム障害、きらぼし銀が体制強化
きらぼし銀行
3行が合併して発足したきらぼし銀行は営業開始初日の2018年5月1日に3つの勘定系システム障害を引き起こした。キャッシュカードが使えない、振り込みの入金遅延、ATMから一部口座に振り込みができないといったトラブルが続いた。作業漏れやテスト項目の洗い出しミスなど複数の要因が重なった。
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初日につまずいた打倒LINE、ソフトバンクにだけトラブルが起きた真相
ソフトバンク
携帯3社は2018年5月9日に新たなメッセージングサービス「+メッセージ」を始めた。ところが開始直後、3社のうちソフトバンクだけがアプリの配信を中止した。利用者が過去のメッセージデータを消してしまう誤操作が相次いだためだ。ソフトバンクがアプリの配信を再開したのは、約50日間が経過した6月28日のこ…
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みずほ証券のシステム障害、ネット取引が2日半停止した理由
みずほ証券
2018年6月26日から2日半、みずほ証券のネット取引サービスが停止した。約1万件の予約注文を取引所に送信できず、うち1200件は約定できなかった。原因は基幹系システムの外部接続サーバーを移行する際の設定ミス。運用管理サーバーと外部接続サーバーが通信できなくなりバッチ処理が滞った。
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マイナンバーカードが区役所で盗まれた理由、78枚が幽霊状態
横浜市鶴見区
横浜市の鶴見区役所で交付前のマイナンバーカード78枚と交付用端末のノートパソコン1台が盗まれた。職員がルールに従わず窓口の交付用端末でカードの検品作業をしていた。カードを置いたまま離席した短い時間の出来事だった。1度に78枚ものカードが紛失したのは例がなく、制度の信頼性が揺らぐ。
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個人情報がダークWebに2次流出、尼崎市がサイバー攻撃を防げなかった理由
兵庫県尼崎市
尼崎市のWebサイトから約1万2000人分の個人情報が流出した。サイト開発を請け負ったIT企業が見逃した脆弱性を突き、何者かが「SQLインジェクション攻撃」を仕掛けた。盗まれた情報は闇サイト「ダークWeb」に流出し、今も世界に拡散している。尼崎市はセキュリティ対策を急ぐ一方、委託先企業への損害賠償…
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不正アクセスでWeb予約を2カ月停止、仮想通貨の採掘ソフトを仕込まれた九州商船
九州商船
九州商船がWeb予約システムを2カ月にわたり停止した。原因はシステムへの不正アクセスだ。攻撃者はサーバーの脆弱性を突いて仮想通貨の採掘ソフトを埋め込んだ。その結果、CPUの負荷が100%に高まりサービスを提供できなくなった。詳細な調査結果を速やかに公開するなど事後対応には評価できる面があった。
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不正アクセスで8万人弱の個人情報流出、GMOペパボには「早く知らせて」の声
GMOペパボ
GMOペパボのECサイト構築サービスで2018年1月、不正アクセスが発生した。最大約7万7000人分の個人情報などが外部に流れただけでなく、クレジットカード情報も最大約1万2000件流出した可能性がある。
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