
日経コンピュータ 編集後記
目次
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日経コンピュータ編集後記 2022年8月18日号
「今日の講義を聴いて起業したいと思った人は?」。あるスタートアップの幹部が大学の起業家育成講座で講義し、こう尋ねると挙手はゼロ。「日本が起業先進国になるのは当面先だ」。幹部は嘆息したそうです。政府や産業界が始動し、モノやカネは充実しつつあります。
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日経コンピュータ編集後記 2022年8月4日号
マイクロサービスの取材では当初、辞退が多く情報収集が危ぶまれました。「まだ成果を見せられない」というのが大方の理由です。新技術ではありがちですが、マイクロサービスはもはや成熟期に入ってもおかしくないトレンド。導入の難しさとともに、成果に完璧を期す日本企業の姿勢も感じました。
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日経コンピュータ編集後記 2022年7月21日号
「会社戻るなら乗って行きなよ」。池袋本店での撮影を終えたあと、ビックカメラの木村社長が撮影に立ち会った若手社員らに、自身のハイヤーに乗るようこう声をかけていたのが印象的でした。若手の返答は「やった、乗りまーす!」。
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日経コンピュータ編集後記 2022年7月7日号
円安や電気料金高騰によるITサービスへの影響を取材して、改めてデータセンター運営に占める電力コストの大きさを思い知りました。冷却の効率化が限界に近づけば、次に電力利用量削減で取れる手段はCPUなどの省電力化しかありません。電気料金高騰は、電力当たりの性能を競うなどサーバーのアーキテクチャー競争にも…
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日経コンピュータ編集後記 2022年6月23日号
セキュリティーの現場を取材すると「脆弱性の修正作業などでシステムが万が一止まると、社内から苦情を受ける」という悩みをよく聞きます。事業の根幹を支える重要なシステムほど、修正作業をためらいたくなります。
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日経コンピュータ編集後記 2022年6月9日号
物静かな語り口ながら発言は率直。パナソニック コネクト社長、樋口氏の印象は、日本マイクロソフト社長時代と同様でした。当時発売したWindows 7に前バージョンの「反省を込めた」と述べ、ソフト主体の事業をクラウドへと転換するため旧態依然の営業手法を猛省したと語っていました。
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日経コンピュータ編集後記 2022年5月26日号
AI版のDevOpsといえる「MLOps」の特集を執筆しました。再学習などのメンテナンスをせずにAIを運用していると、ほとんどの場合その精度は下がります。そのためCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)サイクルを回し、AIを業務で使いながら精度を高めるMLOpsの考え方がAI時代の…
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日経コンピュータ編集後記 2022年5月12日号
一見すると意味ありげだが実は中身が伴っていないような言葉がバズワード。最近だとデジタルトランスフォーメーション(DX)もバズワードとみなされることが増えているようです。技術的負債はどうか。特集で取材した企業の担当者はみな真摯に問題に向き合っており、バズワードに陥る心配はなさそうと感じました。
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日経コンピュータ編集後記 2022年4月28日号
神はサイコロを振らない――。量子力学の不確定性原理にアインシュタインが残した反論です。20世紀最高と称される物理学者をも生涯悩ませた摩訶不思議な量子の振る舞いを、計算に利用する量子コンピューター。
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日経コンピュータ編集後記 2022年4月14日号
システム監視の世界が激変しています。10年前なら監視対象はオンプレミスで運用する物理マシンでしたが、クラウドやコンテナの台頭でシステムは複雑化し、監視が困難になりました。そこで新しく生まれたのが「オブザーバビリティー(可観測性)」という概念です。
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日経コンピュータ編集後記 2022年3月31日号
特集で取り上げた「情報Ⅰ」には私自身が社会人になって初めて知った内容もありました。取材からは課題を感じつつも質の高い教育のために試行錯誤する現場の姿が見えてきます。実践的なデジタルの知識を身につけて社会に出る学生たち。
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日経コンピュータ編集後記 2022年3月17日号
PM(プロジェクトマネジャー)的な人材を育てたい――。自治体DX(デジタル変革)特集で取材した多くの関係者がこう口をそろえます。自治体の業務とITの両知識を持ち、デジタルを活用して住民の利便性向上や公務員の業務効率化につながる企画を立案、周囲を巻き込みながら実現できる人材のことです。
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日経コンピュータ編集後記 2022年3月3日号
現場に埋もれた宝を探していく――。特集の取材でとても印象に残った言葉です。工場内の設備を仮想空間に再現するデジタルツインの構築により、これまで関係ないと思っていたデータが実は設備の異常と密接に関わっていたと分かるようになってきたと言います。
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日経コンピュータ編集後記 2022年2月17日号
セキュリティー対策で重要性を増す「多様な情報の結集」の実現には、「インシデントの可能性がある情報を適切に報告する組織風土の醸成が大切」とサイバーディフェンス研究所の名和利男専務理事は指摘します。
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日経コンピュータ編集後記 2022年2月3日号
発足から5カ月が経ったデジタル庁の調達改革を特集で追いました。懸念するのは、改革を検証するために必要な情報公開が停滞または一部で後退している点です。例えば一部のシステムは調達後に電子調達システムから情報が削除され、各府省が個別システムに投じる予算は原則、非公開です。
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日経コンピュータ編集後記 2022年1月20日号
ベイシアグループのDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略に迫りました。取材でつくづく感じたのは経営トップがDXにコミットする組織はやはり強いということ。
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日経コンピュータ編集後記 2022年1月6日号
仕事でもプライベートでもない仲間が最近できました。あるゲーム内の仮想空間の話です。決断力あるリーダー、賢明な参謀役、小言を言うご意見番、ユーモア豊かなチームメートとの交流には「たかがゲーム」と言えない深い学びがある。そのことに気づき、メタバースには大きな可能性があると考えるようになりました。
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日経コンピュータ編集後記 2021年12月23日号
年末恒例のITスキル調査特集、今回は従業員の「不安」に着目しました。思い浮かぶのが、新型コロナ禍に報道で取り上げられることが増えた「心理的安全性」です。米グーグルが2012年から取り組んでいる「プロジェクト・アリストテレス」の中で、チームの生産性向上に大切な要素の一つとして心理的安全性、つまり失敗…
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日経コンピュータ編集後記 2021年12月9日号
今号の特集「すれ違うオープンイノベーション」の第2部で取り上げたスタートアップ5社を取材しました。各社に共通するのは、自らが関わる産業や社会に貢献したいという強い思いです。その思いを前提として、成長に向けたビジネスモデルを構築しています。成功するスタートアップの強さの源泉を垣間見た気がしました。
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日経コンピュータ編集後記 2021年11月25日号
3年半にわたる出向を終え、10月に日経クロステック編集部に復帰しました。この間にDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が一般紙にまで浸透し、ビジネスの前線では内製のアプリが動く時代に。隔世の感を抱かずにはいられません。内製の動きを加速させる可能性を秘めるノーコード/ローコード開発ツール…