2023年はITインフラ技術のトレンドにどんな変化があるのか。有識者5人を招き「ITインフラテクノロジーAWARD 2023」を選考した。5人が第1位に選んだのは「クラウド最適化」だ。背景にあるのは、円安のためドル建てクラウドのコストが上がったこと。物価高の影響もあり、経営からのITコストの引き下げ要請が強まっている。
2022年は急激な円安やエネルギー価格の高騰などITに関係する社会変動に見舞われた。一方、ITインフラ技術はクラウドサービスを中心に着実に進歩を続けている。
2023年はどのようなITインフラ技術が台頭するだろうか。日経クロステック/日経コンピュータはITインフラ技術に詳しい5人の有識者を招き、「ITインフラテクノロジーAWARD 2023」を選考した。
選考会に参加したのは、野村総合研究所(NRI)の石田裕三産業ITグローバル事業推進部エキスパートアーキテクト、ウルシステムズの会長とアークウェイの社長を務める漆原茂氏、国立情報学研究所の佐藤一郎情報社会相関研究系教授、Publickeyの新野淳一編集長/Blogger in Chief、デロイトトーマツ コンサルティングの森正弥執行役員だ。5人での議論から2023年に注目すべきITインフラ技術を示す。
5人が第1位に選んだのは「クラウド最適化」である。クラウドのコストを見直して最適化する技術や取り組みの総称だ。NRIの石田エキスパートアーキテクトは「(ドル建て料金の)海外クラウドのコストが問題になっているとの声をよく聞く」と話す。急激な円安や物価高の影響で、2023年はクラウドをはじめとするITコストの締め付けが厳しくなる可能性が高い。