東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)でCIO(最高情報責任者)を務める横山隆介常務執行役が、2020年10月1日のシステム障害以降初めてメディアの単独取材に応じた。「じくじたる思い」と話すシステム障害の再発防止へ、マイクロサービスやクラウドの一部活用などでレジリエンス(復元力)を強化すると誓う。
東証の2020年10月1日のシステム障害は、東証が取引を全面的にシステム化した1999年以来初めて、全銘柄の終日売買停止に至った。3兆円規模の売買機会が失われたとされる。
東証では2005年と2006年に大きなシステム障害があり、当時の社長が辞任する事態になりました。私は今で言うIT企画部の課長という立場で、システム障害や金融庁への対応などをしていました。
システム障害でトップが辞任する事態を、ITの担当者として非常に重く受け止めていました。我々は同様の事態を二度と起こしてはいけないとの思いで、外部からCIOを招いたり、開発から運用までのプロセスを全面的に見直したりしてきました。