全4439文字

2022年1月に改正電子帳簿保存法(電帳法)が施行された。電子データで受領した請求書などの電子保存義務は猶予が付いたが、猶予期間はわずか2年だ。インボイス制度の導入も迫る。企業はどう準備を進めるべきか、最適解を探る。

(イラスト:Getty Images、CG:Shige)
(イラスト:Getty Images、CG:Shige)
[画像のクリックで拡大表示]

 2021年から22年にかけて、主に紙を介していた業務フローを見直す動きが相次いでいる。サッポロビールは社内システムの機能強化を図り、2022年1月から社員が行うほぼ全ての会計処理を電子化した。ドアハンドルで高いシェアを持つユニオンも2021年6月から紙による経理業務をなくし、業務の電子化にかじを切った。

 背景には、業務効率の向上という狙いがある。例えば紙の業務フローだと書類を運ぶのに人手がかかるし、届くまでの時間もかかる。書類をためてしまい処理が進まないケースや、回るうちに紛失するケースも考えられる。

 さらに新型コロナウイルス禍でテレワークが広がるにつれ、「紙のために出社しなければならない」など紙を介した業務の難しさが露呈したことも、電子化の推進に拍車をかけている。

 ここにきて、さらに業務の電子化を進める必要性が高まっている。それは国税関係の帳簿や書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律「電子帳簿保存法」の改正法が2022年1月に施行されたためだ。冒頭で紹介したサッポロビールの内村祐子経理部兼改革推進部DX推進チームマネージャーは、「業務効率向上に加えて法改正対応も大きな目的の1つ」と説明する。

 同法は帳簿書類データの保存方法を3つに区分している。会計システムなどで作成したデータをそのまま保存する「電子帳簿保存」、紙で受け取った領収書や請求書などをスマートフォンで撮影したりスキャナーで読み取ったりして保存する「スキャナ保存」、電子メールなどで取引先から受け取った領収書や請求書などのデータを保存する「電子取引」――である。